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【2010年代のシーズン記録/打撃編】200安打以上は秋山翔吾ら4人、40本塁打以上は延べ12人

宇根夏樹ベースボール・ライター
秋山翔吾/2017年のWBC MARCH 10, 2017(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 2010年代(2010~19年)にシーズン200本以上の安打を記録した選手は4人、40本塁打以上は延べ12人を数えた。そのなかで、秋山翔吾(2015年)の216安打とウラディミール・バレンティン(2013年)の60本塁打は、このディケイドのみならず、歴代のシーズンでも最も多い。マット・マートン(2010年)の214安打も、秋山に抜かれるまでは歴代最多だった。シーズンの試合数が違うとはいえ、イチローが1994年に記録した210安打を上回った。

筆者作成
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 2013年のバレンティンは、長打率.779も歴代トップ。このディケイドのシーズン50本塁打以上は、他に誰もいない。バレンティン自身も、2013年以外は、50本どころか40本に達したシーズンもなかった。

 シーズン打率と出塁率のディケイド1位は、柳田悠岐(2015年)の.363と.469だ。OPS(出塁率+長打率)は、バレンティン(2013年)の1.234が最も高い。打率.350以上は延べ5人、出塁率.450以上は4人。ただ、厳密に言うと、平野恵一(2010年)の打率は.3495…なので、わずかながら.350に届いていない。規定打席に到達したシーズンのうち、平野が打率.300以上を記録したのは、前のディケイドを含めても2010年だけだ。

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 OPS1.000以上は延べ16人。山田哲人、柳田、鈴木誠也の3人は、OPS1.000以上のシーズンがそれぞれ3度あり、2018年は揃い踏み。このシーズンは、丸佳浩ネフタリ・ソトも1.000を超えた。

 また、2010年の青木宣親は209安打&44二塁打を記録し、1994年のイチロー(210安打&41二塁打)と2007年のアレックス・ラミレス(204安打&41二塁打)に続き、歴代3人目の「200安打&40二塁打」を達成した。青木は2005年にも200本以上のヒットを打っているが、その時は202安打&26二塁打だった。ちなみに、日本プロ野球で2度のシーズン200安打は青木しかおらず、他には、イチローとラミレス、マートンと西岡剛(2010年)と秋山が1度ずつだ。

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 青木と同じ2010年には、本多雄一が10三塁打&59盗塁。こちらは延べ6人目の「10三塁打&50盗塁」ながら、それまでの達成者はいずれも60盗塁以上。1950年の金山次郎(10三塁打&74盗塁)、1953年のラリー・レインズ(16三塁打&61盗塁)、1973年と1978年の福本豊(10三塁打&95盗塁、10三塁打&70盗塁)、1997年の松井稼頭央(13三塁打&62盗塁)がそうだった。

 投手編はこちら。

【2010年代のシーズン記録/投手編】シーズン防御率1点台は延べ21人。「20勝投手」は田中将大だけ

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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