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MLB200本塁打以上の打者は、NPBでもパワーを発揮したのか。オリックス入団のジョーンズは282本

宇根夏樹ベースボール・ライター
アダム・ジョーンズ Aug 27, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 アダム・ジョーンズが、オリックス・バファローズに入団した。ジ・アスレティックのケン・ローゼンタールによると、契約は2年800万ドル。そこに、200万ドルの出来高と3年目(2022年)の球団オプションがつく。出来高の条件をすべてクリアし、オプションを行使されると、3年間の総額は1550万ドルになるという。

 メジャーリーグ(MLB)において、ジョーンズは2006~19年の14シーズンに計282本塁打を記録している。これは、日本プロ野球(NPB)の球団と最初に契約した時点の本数としては、4番目に多い。434本のアンドルー・ジョーンズ(2013~14年/東北楽天ゴールデンイーグルス)、382本のフランク・ハワード(1974年/太平洋クラブライオンズ)、314本のレジー・スミス(1983~84年/読売ジャイアンツ)に次ぐ。

 この3人をはじめ、MLBで200本以上のホームラン打った後にNPBでプレーした選手は、14人を数える。彼らのうち3人はNPB1年目に30本塁打以上の一方で、4人は10本にすら届かなかった。最多はラリー・パリッシュの42本(1989年/ヤクルトスワローズ)。ハワードは0本、ジョー・ペピトーン(1973年/ヤクルト)は1本に終わった。

筆者作成
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 ただ、90試合以上に出場した選手は、いずれも20本塁打以上を記録している。ちなみに、ハワードは1試合、ペピトーンは14試合に出場しただけだ。また、NPB2年目を含め、シーズン20本塁打以上の延べ11人中8人は、25本を超えた。この結果からすると、来シーズンのジョーンズも、大きな故障さえなければ、25本以上のホームランを期待できそうだ。

 ここ2シーズンは15本と16本ながら、ジョーンズは2011年から2017年まで7年連続25本以上を記録し、2012~13年は続けて30本台に乗せている。現在の年齢は34歳。来年8月に35歳となる。これまでの14人は、NPB1年目に平均34.6歳(6月30日時点)だった。25本塁打以上の7人に限っても33.7歳なので、ジョーンズとそう変わらない。

 なお、MLB200本塁打以上のNPB経験者は、他にもいる。319本のセシル・フィルダーは1989年の阪神タイガース(38本)を挟んで31本と288本、206本のピート・インカビリアは1995年の千葉ロッテマリーンズ(10本)の前後に183本と23本。412本のアルフォンソ・ソリアーノ(1997年/広島東洋カープ/0本)と265本のマット・ステアーズ(1993年/中日ドラゴンズ/6本)は、すべてのホームランをNPBでプレーした後に打った。NPBにいた当時のソリアーノはメジャーデビューしておらず(プロとしてのキャリアを広島東洋からスタートさせた)、ステアーズはMLB19試合(1992~93年)で0本塁打だった。555本のマニー・ラミレスはNPBではないが、2017年に高知ファイティングドッグスでプレーした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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