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ヤンキースとLA2球団に「ミステリー・チーム」も加わり、史上初の「3億ドル投手」誕生も

宇根夏樹ベースボール・ライター
ゲリット・コール May 27, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ゲリット・コールを手に入れようとしているのは、ニューヨーク・ヤンキース、ロサンゼルス・エンジェルス、ロサンゼルス・ドジャースの3球団だけではないらしい。コールの代理人を務めるスコット・ボラスは、2つの新たなミステリー・チームがあると言っているという。MLB.comのブライアン・ホークが、12月10日にそうツイートした。

 ミステリー・チームの一つは、サンディエゴ・パドレスのような気がする。パドレスはFA市場に出ていたもう一人の大物投手、地元出身のスティーブン・ストラスバーグを迎え入れようとしたが、「ストラスバーグが得た7年2億4500万ドルの契約は、FAビッグ3の残る2人にも影響!?」で書いたとおり、ストラスバーグはワシントン・ナショナルズと再契約を交わした。

 シカゴ・ホワイトソックスも、動いていてもおかしくない。パドレスと同じく、こちらも再建を終えようとしている。先月下旬には、4年7300万ドルでヤズマニ・グランダルを迎え入れた(「1年前に4年6000万ドルを断った捕手が、より高額な契約をゲット。その裏にあったのは好成績だけでなく」)。

 他にも、可能性がありそうな球団はいくつか存在する。サンフランシスコ・ジャイアンツもその一つだ。契約すれば、パドレスとホワイトソックス以上のサプライズだが、ジャイアンツからは、エースのマディソン・バムガーナーがFAになっている。また、エンジェルスがコールの地元に本拠を置くのに対し、ジャイアンツにはコールの義兄がいる。コールの妻は、ブランドン・クロフォードの妹だ。

 欲しがる球団が増えれば、選手にはより大きな契約を得るチャンスが生まれる。コールの契約はストラスバーグを上回るだけでなく、投手では史上初の3億ドル――野手も4人しかいない――に達するかもしれない。そう考えると、ミステリー・チームは存在せず、ヤンキース、エンジェルス、ドジャースの3球団に向けた、ボラスの「ブラフ」ということもあり得る。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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