1年前に4年6000万ドルを断った捕手が、より高額な契約をゲット。その裏にあったのは好成績だけでなく

ヤズマニ・グランダル Aug 13, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ヤズマニ・グランダルが、4年7300万ドルでシカゴ・ホワイトソックスに入団した。総額5000万ドル以上の契約は、今オフ初。過去にホワイトソックスと契約した選手の最高総額も塗り替えた。それまでは、2013年のオフにホゼ・アブレイユが得た6年6800万ドルの契約が、最も高額だった。今オフ、ホワイトソックスからFAになったアブレイユは、1年1780万ドルのクオリファイング・オファーを受け入れた。

 昨オフも、グランダルはFA市場に出た。ロサンゼルス・ドジャースが申し出た1年1790万ドルのクオリファイング・オファーを却下し、ロサンゼルス・タイムズのホルヘ・キャスィテーヨによると、ニューヨーク・メッツが提示した4年6000万ドルの契約も断ったという。その後、グランダルは1年1825万ドルでミルウォーキー・ブルワーズと契約した。この動きからは、今オフに再びFAとなり、さらに高額な複数年契約を得ようとする意図が窺える。

 それに成功した要因としては、好成績が挙げられる。4年続けて20本塁打をクリアしただけでなく、今シーズンの28本はキャリアハイを1本更新。出塁率.380とOPS.848も、出場60試合のメジャーリーグ1年目(2012年)を除けば、最も高い。マスクをかぶっても、これまでどおりに巧みなフレーミングを披露した。11月に31歳となったが、まだ全盛期は続いている。

 また、クオリファイング・オファーの対象となるのは1度きりなので、昨オフにグランダルと契約したブルワーズと違い、ホワイトソックスはドラフト指名権を失わずに済む。今オフのFA市場に出ている捕手の顔ぶれが、昨オフと比べると見劣りすることも、グランダルの価値を高めた。昨オフは、グランダルの契約後ながらJ.T.リアルミュートもトレードで動き、マイアミ・マーリンズからフィラデルフィア・フィリーズへ移籍した。

 もう一つ、グランダルは昨オフに代理人を変更した。レガシー・エージェンシーから、ワッサーマン・グループに乗り換えた。時期としては、ドジャースからのクオリファイング・オファーとメッツからの4年6000万ドル、2つの契約提示の間だったようだ。

 好成績を残さなければ大型契約は得られないが、準備という点においても、グランダルは抜かりなかったように思える。