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総額も年平均額も「投手史上最高」は間違いなし!? ヤンキースが申し出た契約は7年2億4500万ドル

宇根夏樹ベースボール・ライター
ゲリット・コール Jun 7, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ニューヨーク・タイムズのボブ・クラピッシュは、こうツイートしている。「ヤンキースはゲリット・コールに対し、グレインキーの年平均3440万ドルを上回る、7年2億4500万ドルの契約を提示したと聞いた。あとは、ドジャースかエンジェルスが8~9年あるいは10年契約を申し出るかどうかだ」

 これまでに投手が交わした契約の年平均額は、ザック・グレインキー(現ヒューストン・アストロズ)の3441万6667ドルが最も高い。グレインキーの契約は6年2億650万ドル(2016~21年)で、その間の年俸は2020年と2021年の各3200万ドルが最高だが、2026年までの繰り延べ分があり、総額を契約年数で割った年平均額は、各年の年俸を上回る。それに対し、クラピッシュの情報が正しければ、コールがニューヨーク・ヤンキースから提示された契約は、年平均3500万ドルとなる。

 ただ、今オフにコールが手にする契約が、グレインキーの年平均額を超えるかどうかは、まだわからない。ここから他の球団が申し出る契約は、ヤンキースの年平均額を下回ることもあり得る。年平均額が3500万ドル未満であっても、契約年数が7年より長く、総額でヤンキースの2億4500万ドルを上回れば、コールに選ばれる可能性は高い。一方、年平均額が3500万ドル以上でも、契約年数が短く、総額が2億4500万ドルに届かない場合、コールはヤンキースに入団するだろう。

 いずれにせよ、コールの契約が、総額の投手史上最高を更新することは間違いなさそうだ。現時点の最高総額は、デビッド・プライス(ボストン・レッドソックス)の7年2億1700万ドル(2016~22年/年平均3100万ドル)だ。もちろん、コールの契約が年平均3000万ドルを割ることはないだろうし、総額と年平均額のどちらにおいても、投手史上最高を塗り替える可能性も十分にある。

 今オフのFA市場にはスティーブン・ストラスバーグも出ているが、コール以上の契約を得るとは考えにくい。2人を比べると、故障はストラスバーグの方が多く、年齢はコールが2歳若い。ちなみに、コールもストラスバーグも、代理人はスコット・ボラスだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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