3年続けてFA市場に出たスラッガーが、ようやく長期契約を手にするまで
FA市場に出ていたマイク・ムスタカスが、シンシナティ・レッズと4年6400万ドルの契約を交わした。ESPNのジェフ・パッサンやMLB.comのマーク・シェルドンらが報じている。
ムスタカスは、強打の三塁手だ。ここ3シーズンの計101本塁打(38本、28本、35本)は、全選手のなかで14番目に多い。ただ、長期契約を得るまでの道のりは、平坦ではなかった。
2年前、FAになったムスタカスは、カンザスシティ・ロイヤルズからのクオリファイング・オファーを断った。ただ、求めていたような契約は得られず、3月にロイヤルズへ戻った。1年1740万ドルのクオリファイング・オファーに対し、再契約は1年650万ドル。パフォーマンス・ボーナスがつくとはいえ、半額以下に「ダウン」した。
2018年のシーズン途中にミルウォーキー・ブルワーズへトレードされ、昨オフ、ムスタカスは再びFA市場に出た。そして、2月にブルワーズへ戻った。この契約は、1年1000万ドルにアウォード・ボーナスがつく。金額は前年からアップしたものの、それらを合計しても、却下したクオリファイング・オファーに及ばない。
2度の再契約には、ともに翌年の相互オプション――それぞれ1500万ドルと1100万ドル――もついていた。だが、球団オプションと選手オプションとは違い、相互オプションが行使されることは少ない。どちらか一方が破棄すれば、もう一方の意向にかかわらず、オプションは行使されない。
「三度目の正直」と呼ぶべきだろうか。今オフ、ムスタカスはようやく長期契約を手にした。
もっとも、来シーズン、ムスタカスが守るのは、三塁ではなく二塁だ。レッズの三塁には、エウヘニオ・スアレスがいる。
今シーズン、ムスタカスは三塁手として93試合、二塁手として40試合に先発出場した(他にDH出場が1試合)。それまでは、マイナーリーグを含めても、二塁の守備についたことはなかった。新たなポジションが長期契約をもたらした、という見方もできる。