前田健太のような「使われ方」の投手は他にいない? 先発とリリーフでそれぞれ10登板以上はいるけれど…

前田健太(ロサンゼルス・ドジャース)Sep 28, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 代理人を通し、前田健太(ロサンゼルス・ドジャース)は先発一本で行きたいと球団に伝えたが、確約はもらえなかったという。ジ・アスレティックのアンディ・マカローが、「ケンタ・マエダは先発したい、ドジャースはこう言っている。もっといい投球を」と題した記事で報じている。

 メジャーリーグ1年目は、レギュラーシーズンの32登板もポストシーズンの3登板も、先発としてマウンドに上がった。けれども、ここ3年はいずれもシーズン終盤にブルペンへ回され、ポストシーズンでもリリーフ投手として投げた。今シーズン、レギュラーシーズンの37登板は、先発が26登板、リリーフが11登板だった。

 先発とリリーフでそれぞれ10試合以上に登板した投手は、前田の他に24人いた。そのうち、ライン・スタニック(タンパベイ・レイズ/マイアミ・マーリンズ)とチャド・グリーン(ニューヨーク・ヤンキース)の先発は、「オープナー」としてだ。2人とも、先発した試合はどれも、2イニングを超えて投げていない。

 また、半数の12人は「スウィングマン」だ。先発とリリーフの役割を行き来した。前田は彼らと違い、開幕から8月末までの27登板中、リリーフとして投げたのは7月19日の1試合だけ。この2日前の先発は、雨天中断によって2イニングしか投げなかった。一方、9月の10登板はすべてリリーフ。過去2年もそうだったが、1シーズンにおける前田の役割は、基本的にスウィング(行ったり来たり)していない。

 スウィングではなく一方通行ながら、シーズン中に移籍した投手も4人いた。先発→リリーフ(あるいはリリーフ→先発)のタイミングは、必ずしも移籍と一致しないものの、チームを移っているので、前田とは事情が異なる。

 残る6人は、前田と同じく、ローテーションの一員として投げた後、ブルペンに回った。ただ、先発からリリーフに「配置転換」された時、前田の防御率が4.11だったのに対し、4人は5.30を超えていた。ホゼ・ウレーニャ(マイアミ・マーリンズ)とカルロス・カラスコ(クリーブランド・インディアンズ)も、その時点の防御率は4.70と4.98なので、前田と比べると50ポイント以上も高い上、ともに、先発→リリーフの間に長期欠場を挟んでいる。

 こうして見てくると、先発投手として、抜群ではないにしても及第点の防御率にもかかわらず、ブルペンへ回された――言い換えれば、自身の投球よりもチーム事情が「配置転換」の大きな理由だった――のは、前田だけだ。しかも、前田がこのような使い方をされているのは、今シーズンだけではない。

 シーズンを通して先発として投げたいと望むのは、金銭だけが理由ではないだろうが、これまでも「前田健太がゲットする金額は、過去2年を上回るものの、1年目には及ばない」などで書いてきたように、先発として投げないと、前田は多くの出来高を得ることができない。

 この契約は2023年まで、あと4シーズン分が残っている。自身の投球でローテーションから外すことのできない存在となるか、シーズン終盤の時点で前田を必要としないブルペンが構築されていない限り、起用法は変わらないかもしれない。