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FAとトレード、この選手はどちらの可能性もあり。いずれにせよ、ストーブリーグでは大人気!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
スターリング・マーテイ(ピッツバーグ・パイレーツ)Sep 8, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 このオフ、スターリング・マーテイ(ピッツバーグ・パイレーツ)はFAになる可能性がある。6年3100万ドルの契約は、今シーズンまでだ。

 ただ、この契約には、2年分の球団オプションがついている。2020年は1150万ドル、2021年は1250万ドルだ。どちらも、そう高額ではない。

 パイレーツは、球団オプションを行使するだろう。そうなると、マーテイはFA市場には出ない。だが、ストーブリーグからも姿を消すとは限らない。パイレーツは、マーテイをトレードで放出するかもしれない。

 20年連続負け越しに終止符を打ち、2013年から3年続けてワイルドカードをゲットした後、パイレーツは4年続けて82勝以下にとどまっている。今シーズンは、69勝93敗の地区最下位だ。昨年1月には、ゲリット・コール(現ヒューストン・アストロズ)とアンドルー・マッカッチェン(現フィラデルフィア・フィリーズ)を立て続けに放出した。昨オフはイバン・ノバ(現シカゴ・ホワイトソックス)、今夏はジョーダン・ライルズ(現ミルウォーキー・ブルワーズ)とコリー・ディッカーソン(現フィリーズ)を手放している。

 マーテイを欲しがる球団はあるはずだ。今シーズン、主にセンターを守り、20-20を記録した選手は、41本塁打&37盗塁のロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)と23本塁打&25盗塁のマーテイしかいない。アクーニャJr.は、8年1億ドルの1年目を終えたばかりだ。マーテイは、2年続けて20本以上のホームランを打ち、20盗塁以上は7年連続とした。今シーズンの23本塁打とOPS.845はキャリアハイ。年齢は、3週間前に31歳の誕生日を迎えたところだ。

 2021年の球団オプションも含めれば、パイレーツはあと2シーズン、マーテイを保有できる。なので、今オフだけでなく、2020年の夏とシーズン終了後、2021年の夏にも、トレードのチャンスはある。好成績を残した直後の今オフが売り時なのか、もう少し待つべきなのか。今オフに安売りする必要はないが、後々、判断が問われることになりそうだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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