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ワールドシリーズはエースの競演!? 両チームとも防御率ベスト20に3人ずつ

宇根夏樹ベースボール・ライター
ゲリット・コール(ヒューストン・アストロズ)Oct 10, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 それぞれのリーグで優勝し、ワールドシリーズで対戦する両チームは、どちらもエース級の投手を3人ずつ擁する。ワシントン・ナショナルズは、マックス・シャーザースティーブン・ストラスバーグパトリック・コービン。対するヒューストン・アストロズは、ジャスティン・バーランダーゲリット・コールザック・グレインキーだ。

筆者作成
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 彼らは全員、今シーズンの防御率ベスト20に名を連ねる。7月末に移籍したグレインキーは、アリゾナ・ダイヤモンドバックスで防御率2.90、アストロズで防御率3.02を記録した。

 今シーズンに限ったことではない。ここ3シーズン(2017~19年)のトータル防御率は、6人ともベスト15に入っている(400イニング以上)。シャーザー(2.64)は2位、バーランダー(2.81)は4位、グレインキー(3.11)とストラスバーグ(3.15)は8位と9位、コール(3.20)は11位、コービン(3.47)は15位に位置する。両チームとも、1~5位、6~10位、11~15位が1人ずつだ。

 ナショナルズでは、3人に次ぐアニバル・サンチェスも見逃せない。2014年から2018年まで、サンチェスは5年続けて規定投球回に届かなかったが、今シーズンは166.0イニングを投げ、27位の防御率3.85を記録した。6年前の2013年に4位(ア・リーグ1位)の防御率2.57という実績もあり、今年のポストシーズンは2先発で計12.2イニングを投げ、1点しか与えてない。

 アストロズは、このポストシーズンで「4人目の先発投手」を用意していない。ワールドシリーズ進出を決めたリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第6戦は、最初から最後までリリーフ投手がつなぐ、「ブルペン・デー」とした。

 ウェイド・マイリーの防御率は3.98(36位)ながら、8月末までの28先発で防御率3.06に対し、9月の5先発は防御率16.68。ディビジョン・シリーズはリリーフとして1試合に投げ、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズではロースターから外された。なお、第6戦に右膝を痛めたライアン・プレスリーは、大事には至らないようだが、ワールドシリーズで投げられない可能性もある。その場合は、マイリーが代わってロースターに入るだろう。

 確定はしていないが、ワールドシリーズの第1戦は、シャーザーとコールが投げ合うことになりそうだ。この2人は、2年続けて奪三振率2位と1位。シャーザーは12.24と12.69、コールは12.40と13.82を記録している。ナ・リーグに限れば、シャーザーも2年連続1位だ。

 その後は、第2戦がストラスバーグとバーランダー、第3戦がコービンとグレインキー、第4戦はサンチェスとアストロズのリリーフ投手か。第3戦の2人は、2016~18年にダイヤモンドバックスでチームメイトだった。また、2012年の夏から2014年まで、デトロイト・タイガースには、シャーザー、バーランダー、サンチェスの3人が揃っていた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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