マリナーズのファンは、ナショナルズよりもカーディナルスを応援している!?
ナ・リーグでは、ワシントン・ナショナルズとセントルイス・カーディナルスが、ワールドシリーズ進出をかけて対戦している。10月11日のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第1戦は、ナショナルズが2対0で勝利を収めた(この試合については、「ポストシーズン史上3人目のノーヒッターは惜しくも逃したけれど…。この快投の持つ意味は大きい」で書いた)。
現在、ナショナルズの25人ロースターには、3人の「元シアトル・マリナーズ」がいる。フェルナンド・ロドニーは、マリナーズ1年目の2014年にセーブ王のタイトルを獲得し、翌年の夏まで在籍した。ヨエニス・エリーアスは、マリナーズに2度在籍。2014~15年は主に先発、2018~19年はリリーフとして投げ、今シーズンは夏にナショナルズへ移るまで、クローザーを務めていた。アズドゥルバル・カブレラは、16歳でプロ入りしてから20歳でトレードされるまで、マリナーズに在籍。翌年、クリーブランド・インディアンズでメジャーデビューした。
また、エリーアスと入れ替わるような形でロースターから外れたが、ディビジョン・シリーズの25人には、エリーアスと一緒にマリナーズから移ってきたハンター・ストリックランドがいた(第1戦と第3戦に登板し、どちらも2失点)。
一方、カーディナルスのロースターに「元マリナーズ」は皆無だ。
それでも、マリナーズのファンは、ナショナルズよりもカーディナルスを応援しているかもしれない。マリナーズとナショナルズはどちらも、一度もワールドシリーズに進出したことがない。ナショナルズは、移転前のモントリオール・エクスポズ時代を含めてもそうだ(マリナーズは移転していない)。もし、ナショナルズがここから3勝を積み上げてリーグ優勝すると、ワールドシリーズ進出が皆無の球団は、マリナーズだけとなる。
いや、それとも逆だろうか。ナショナルズがワールドシリーズへ進み、取り残されることで、マリナーズのオーナー・グループが球団を強くしようとする……。これまでそうしてきたかどうかは別として、マリナーズのファンが望んでいるのは、こちらのシナリオということも考えられる。