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金もなければ人気もない2球団が、ポストシーズンの切符を揃ってゲット!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
マット・オルソン(左)とマーカス・シミエン Aug 21, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

「色男、金と力はなかりけり」ではないが、オークランド・アスレティックスとタンパベイ・レイズの両球団は、金も人気もない。USAトゥディによると、開幕時の年俸総額は23位と30位。1試合平均の観客数は24位と29位だ。

 けれども、アスレティックスはワイルドカード・レースのトップを走り、レイズはそこから2ゲーム差の2番手として、クリーブランド・インディアンズと並んでいる。年俸総額と平均観客数のどちらもワースト10に位置する8球団中、現時点でポストシーズン進出の可能性があるのは、アスレティックスとレイズだけだ。

 両球団は、昨シーズンも90勝以上を記録した。アスレティックスは97勝を挙げ、ワイルドカードをゲット。レイズの90勝は、ポストシーズンにたどり着けなかった20球団のなかで最も多かった。アスレティックスでは「寄せ集めのローテーション」(ESPNのジェリー・クラズニックは「Dリストの先発ローテーション」と形容)、レイズでは「オープナー」が、それぞれ目を惹いた。

 現在も、アスレティックスのローテーションには寄せ集めに近い顔ぶれが並ぶ。ただ、それだけではない。ここ2年とも、打線はパワーがあり、出塁率も低くない。生え抜きのマット・チャップマンマット・オルソンは、パワーとともに、三塁と一塁で卓越した守備を披露している。また、今シーズンは、3年前の夏にロサンゼルス・ドジャースから獲得したフランキー・モンタスが、エースとして台頭。薬物使用により、モンタスは6月下旬に80試合の出場停止を科されたものの、野手でも、5年前の冬にシカゴ・ホワイトソックスから手に入れたマーカス・シミエンが、ようやく開花した。

 レイズは今シーズンも「打低投高」ながら、打線では、オースティン・メドウズブランドン・ラオが揃ってブレイク。一方、前年にサイ・ヤング賞を受賞したブレイク・スネルは、故障もあってブレイクを継続できていないが、2年3000万ドルで入団したチャーリー・モートンは期待どおりの投球をしていて、35歳の年齢を感じさせない。7月末にライン・スタニックをマイアミ・マーリンズへ放出後、オープナーの頻度は減ったものの、交換に獲得したニック・アンダーソンは、セットアッパーとして三振の山を築いている。

 なお、両球団と三つ巴のワイルドカード争いを演じているインディアンズは、年俸総額が16位、平均観客数は22位だ。アスレティックスとレイズほどではないとはいえ、こちらも上位ではない。

 この3球団のうち、2球団がワイルドカード・ゲームで対戦する(インディアンズは地区優勝の可能性もあるが、風前の灯だ)。その勝者はディビジョン・シリーズへ進み、ヒューストン・アストロズかニューヨーク・ヤンキースに挑む。「ダビデとゴリアテ」ではないが、アストロズとヤンキースは、年俸総額も平均観客数もトップ10に入っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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