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「最もCSから遠ざかる球団」の逆転進出はあるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
2007年から、中日ドラゴンズは6年連続CS進出 Nov 11, 2007(写真:ロイター/アフロ)

 中日ドラゴンズは、どの球団よりもCS(クライマックスシリーズ)から遠ざかっている。CSがスタートした2007年から6年続けて進出した後、2013年からは6年続けて進んでいない。

 セ・リーグの他5球団は、過去2年の間に、少なくとも1度はCSに進出した。パ・リーグでは、オリックス・バファローズが最もCSから遠ざかっているが、それでも最後は2014年だ。中日と比べれば近い。

 現在、中日は66勝69敗2分(勝率.489)で4位に位置する。借金3を抱えているものの、7年ぶりにCSへ返り咲く可能性は、まだ残っている。

 ここからの6試合は、広島東洋カープと2試合(9月23日と27日)、横浜DeNAベイスターズと1試合(9月24日)、東京ヤクルトスワローズと1試合(9月25日)、阪神タイガースと2試合(9月29~30日)だ。広島東洋との試合は、9月22日が順延となり、27日に組まれた。

 2位の横浜DeNAは70勝66敗3分(勝率.515)、3位の広島東洋は69勝69敗3分(勝率.500)だ。それぞれ、あと4試合と2試合を残す。中日はいずれとの対戦も負け越しが決まっているので、勝利で上回らないと追い抜けない。同じ勝率では、中日が下となる。

 横浜DeNAの上に立つのは至難だ。横浜DeNAが残り4試合で2勝するか、1勝でも2敗以下(1勝0敗3分、1勝1敗2分、1勝2敗1分)であれば、中日は6勝0敗でも上回れない。横浜DeNAが0勝0敗4分か0勝1敗3分でも同じだ。

 広島東洋についても、中日は直接対決の2試合で2敗するか0勝1敗1分だと、その時点で広島東洋よりも下が決まる。最低でも1勝は必要ということだ。

 直接対決で1勝1敗の場合も、中日が広島東洋を上回るには、他4試合で全勝しなければならない。ただ、広島東洋に対して1勝0敗1分であれば、あとの4試合は3勝以上か2勝2分で上回る。広島東洋に2勝すれば、他の4試合で2勝以上、あるいは1勝0敗3分か1勝1敗2分でも逆転となる。直接対決の結果次第では、中日がCSへ進んでもおかしくない。

 なお、リーグ優勝を決めた読売ジャイアンツは別として、セ・リーグでCS進出の可能性を残しているのは、この3球団だけではない。64勝68敗6分(勝率.485)で5位の阪神タイガースもそうだ。もっとも、残り5試合ですべて白星を挙げても、CSにたどり着けないこともあり得る。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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