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三つ巴のナ・リーグ中地区で「漁夫の利」を得るのは…。カーディナルス、カブス、ブルワーズ?

宇根夏樹ベースボール・ライター
アディソン・ラッセル(左)とエリック・テームズ Sep 1, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 他の5地区と違い、ナ・リーグ中地区では、まだ混戦が続いている。首位のセントルイス・カーディナルスから、2位に並ぶシカゴ・カブスミルウォーキー・ブルワーズまでは、2ゲームしか離れていない。

 3チームとも、残りは11試合だ。カーディナルスとカブスは、そのうち7試合で顔を合わせる。ここまでの12試合は、カーディナルスが5勝、カブスが7勝。大きな差はない。一方、ブルワーズはすでに両チームとの対戦を終えている。

筆者作成
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 カーディナルスとカブスが星を潰し合えば、ブルワーズにとっては有利に働きそうだ。ここへきて、ブルワーズは勢いづいている。9月6日以降、途中でクリスチャン・イェリッチを欠きながらも、12試合で11勝を挙げている。

 また、地区優勝以外の2チームがワイルドカードをゲットし、この3チームが揃ってポストシーズンへ進むこともあり得る。こちらは、ワシントン・ナショナルズを含む4チームが競り合っている。ワイルドカードの1番手に位置するナショナルズから、カーディナルスは0.5ゲームのリード、カブスとブルワーズは1.5ゲームのビハインドだ。

 ナショナルズの残り12試合の相手は、順に、カーディナルスが1試合、マイアミ・マーリンズが3試合、フィラデルフィア・フィリーズが5試合、クリーブランド・インディアンズが3試合。そう容易なスケジュールではない。フィリーズはナショナルズに5.5ゲーム差をつけられているが、ワイルドカードの2番手(カブスとブルワーズが並ぶ)までは4ゲームなので、まだ逆転の可能性を残す。また、インディアンズはア・リーグで、ワイルドカード・レースの3位にいる。2位のタンパベイ・レイズまでは0.5ゲーム差だ。

 なお、ワイルドカードの2チームが同地区という例は、過去4度を数える。2013年のピッツバーグ・パイレーツシンシナティ・レッズ(ナ・リーグ中地区)、2015年のパイレーツとカブス(ナ・リーグ中地区)、2016年のボルティモア・オリオールズトロント・ブルージェイズ(ア・リーグ東地区)、2017年のアリゾナ・ダイヤモンドバックスコロラド・ロッキーズ(ナ・リーグ西地区)がそうだ。たまたまかもしれないが、その半分をナ・リーグ中地区が占める。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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