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クライマックスシリーズで1試合も勝てなくても、日本シリーズに出場できる。これってどうなの?

宇根夏樹ベースボール・ライター
CSで1試合も勝てずに日本シリーズ出場でもファンは喜ぶのか Mar18,2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ご存じの方もいらっしゃると思うが、リーグ優勝チームは、クライマックスシリーズで1試合も勝てなくても、日本シリーズに出場することが可能だ。

 リーグ優勝チームは、クライマックスシリーズ・ファーストステージの勝者と、ファイナルステージで対戦する。その際、リーグ優勝チームには、1勝のアドバンテージが与えられる。

 基本的には、先に4勝したチームがファイナルステージの勝者となる。ただ、引き分けの試合があった時は、勝利数の多いチームが勝者だ。6試合を終えた時点の勝利数が両チームとも同じであれば、レギュラーシーズンの上位、すなわち、リーグ優勝チームが勝者となる。

 例えば、第1戦から第5戦まですべて引き分けの場合、リーグ優勝チームには1勝のアドバンテージがあるので、第6戦に敗れたとしても1勝1敗5分となる。従って、5試合が終わった時点で、勝者はリーグ優勝チームに決定。第6戦は行われない。

 リーグ優勝チームが第1~5戦のいずれか1試合で敗れ、第6戦を含む他5試合はすべて引き分けた場合も同じだ。

筆者作成
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 また、ファーストステージでは、レギュラーシーズン2位のチームにも、同じようなことが起こり得る。3試合とも引き分ければ、こちらもレギュラーシーズンの上位ということで、1試合も勝つことなく勝者となり、ファイナルステージへ進む。

 レギュラーシーズンではあるが、2008年8月には、埼玉西武ライオンズと福岡ソフトバンクホークスが、同一カード3試合連続引き分けを記録している。可能性としては、4試合連続も5試合連続も、あり得る。

 いっそのこと、1試合も勝たずに勝者となるチームが現れてほしい。そうなれば、疑問の声が高まり、クライマックスシリーズの存在そのものはさておき、ルール変更が行われるのではないだろうか。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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