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日本プロ野球で1球団に200勝投手が2人揃ったのは…。MLBのアストロズには現在2人

宇根夏樹ベースボール・ライター
米田哲也 1977(写真:岡沢克郎/アフロ)

 現在、ヒューストン・アストロズは、200勝投手を2人擁する。219勝のジャスティン・バーランダーに加え、8月18日にザック・グレインキーが200勝に到達した。

 先日、「ローテーションに200勝投手が2人。実績だけでなく、今シーズンの防御率はどちらも2点台」で書いたとおり、メジャーリーグで同じ球団に200勝投手が2人揃うのは、2013年のニューヨーク・ヤンキース以来、6年ぶりのことだ。

 では、日本プロ野球はどうなのだろうか。200勝投手は24人。調べたところ、以下のリストのような、200勝投手のチームメイトがいた。

筆者作成
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 1955年の読売ジャイアンツには、200勝投手が3人揃った。前年6月に別所毅彦が200勝に到達したのに続き、この年の8月に中尾碩志、10月に藤本英雄が200勝目を挙げた。ただ、1955年に藤本が登板したのは、この1試合のみ。5イニングを投げて無失点ながら、7対0とリードした5回表に、先発投手からマウンドを引き継いだ。藤本は200勝を花道として、キャリアを終えた。

 2人の200勝投手が、同じ年に同じ球団でそれぞれ100イニング以上を投げたのは、1955年の別所と中尾、1967~71年の米田哲也梶本隆夫だけだ。後者の2人は、阪急ブレーブスで「ヨネカジコンビ」を形成した。

 なお、1968~69年は、チームメイトの米田と梶本を含め、現役の200勝投手が6人いて、その前後の1967年と1970~71年は5人を数えた。1983~84年も5人。1983年は、近鉄バファローズの鈴木啓示、読売の堀内恒夫、阪急の山田久志、日本ハムファイターズの江夏豊に加え、10月に横浜大洋ホエールズの平松政次が200勝に到達した。彼らのうち、堀内はこの年限りで引退したが、4人は翌年も投げた。江夏はオフのトレードで西武ライオンズへ移籍し、江夏とチームメイトの東尾修が、9月に200勝目を挙げた。

 現役の200勝投手が複数いたのは、2010年が最後だ。工藤公康が埼玉西武ライオンズ、山本昌は中日ドラゴンズで投げた。2016年以降、現役の200勝投手はおらず、この年、広島東洋カープで日米通算200勝に到達した黒田博樹を含めても、2017年以降は皆無だ。

 また、現在、150勝以上の現役投手は、169勝の石川雅規(東京ヤクルトスワローズ)しかいない。日米通算では、田中将大(ヤンキース)が172勝(NPB99勝/MLB73勝)、松坂大輔(中日)が170勝(NPB114勝/MLB56勝)、ダルビッシュ有(シカゴ・カブス)が154勝(NPB93勝/MLB61勝)。今シーズンの登板はないが、岩隈久志(読売)も日米通算で170勝(NPB107勝/MLB63勝)を挙げている。岩隈は8月21日に、二軍でシーズン初の実戦マウンドに上がる予定だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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