8月にデビューした新人が、ワールドシリーズ優勝の「切り札」になる!?

ダスティン・メイ(ロサンゼルス・ドジャース) Aug 13, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ロサンゼルス・ドジャースは、トニー・ガンソリンをAAAから昇格させ、8月18日の先発マウンドに上げる。

 ドジャースでは、リッチ・ヒルロス・ストリップリングが故障者リストに入っていて、フリオ・ウリーアスはDVにより、8月17日に出場停止20試合を科された(5月に5試合を消化済み)。ただ、先発投手が不足しているわけではない。ヒョンジン・リュクレイトン・カーショウウォーカー・ビューラー前田健太の4人を擁し、8月にデビューしたダスティン・メイも、3先発で防御率2.65を記録している。順番でいけば、8月18日はメイの登板日に当たる。

 にもかかわらず、メイをブルペンに回し、ガンソリンを先発させるのは、先を見据えた動きだ。

 ポストシーズンに入れば、先発投手は4人で済む。一方、ドジャースはブルペンに不安を抱えている。今月初旬に「両リーグ最高の勝率でも、ワールドシリーズ優勝には疑問符。トレードであそこを補強するべきだったのでは…」で書いたように、最大の懸念材料は、クローザーのケンリー・ジャンセンだ。

 現在も、不安は解消されていない。8月9日の試合で、ジャンセンはシーズン5度目のセーブ失敗を記録した。いきなり、シングル・ヒットとホームランを続けて打たれ、同点に追いつかれた。その後は2登板とも無失点ながら、いずれもセーブ機会ではなく、被安打は1本ずつ、シングルと二塁打を打たれた。7月に別々のトレードでタンパベイ・レイズから獲得した2人、ケーシー・サドラーアダム・コレアリックは、ジャンセンに代わるクローザーにはなれそうにない。それぞれの役割は、ミドル・リリーバーと左打者用のショート・リリーバーだ。

 メイは先発投手だが、ここからブルペンで好投すれば、シーズン終盤とポストシーズンには、試合を締めくくる可能性もある。ニックネームの「ジンジャーガード」は、6フィート6インチの長身と長髪がノア・シンダーガード(ニューヨーク・メッツ)と共通する、赤毛(ジンジャー)の投手、というだけではない。2人とも、シンカーを投球の軸とする。スタットキャストによると、シンダーガードのシンカーが平均97マイル台であるのに対し、メイは平均95マイル台だが、先発ではなくリリーフなら、メイもシンダーガードに匹敵する球速が出そうだ。

 来シーズンからは再び先発として投げるだろうが、その前に、メイはドジャースに悲願のワールドシリーズ優勝をもたらす「切り札」となり得る。

 ドジャースは、過去2年ともワールドシリーズで敗れているだけではない。最後にワールドチャンピオンとなったのは1988年。メイが生まれたのは――5月ではなく9月だが――その9年後だ。