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華麗なる転身!? ファンがMLB球団と契約し、イケメンの元マイナーリーガーは引退してモデルに

宇根夏樹ベースボール・ライター
オークランド・コロシアム Apr 4, 2016(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 一方は、投手としてのキャリアをスタートさせる。もう一方は、投手としてのキャリアにピリオドを打った。

 MLB.com/カット4のエイドリアン・ギャロは、8月1日の記事で、オークランド・アスレティックスが23歳のネイサン・パターソンと契約したことを報じた。

 7月15日にクアーズ・フィールドを訪れたパターソンは、球場に設置してある「スピード・ピッチ・チャレンジ」で96マイルを叩き出した。一緒にいた兄――もしかすると弟かもしれない――のクリスチャンは、その動画をツイッターにアップし、「彼と契約して!」と綴った。

 もっとも、ギャロの記事によると、始まりは昨年8月だという。パターソンは高校までしかプレーしていなかったが、アスレティックス傘下のAAA、ナッシュビル・サウンズ(現在はテキサス・レンジャーズ傘下)の試合を観戦した際に投げてみたところ、96マイルが出たので、そこからトレーニングを開始した。アスレティックスとは、今年2月から連絡をとっていた。

 クアーズ・フィールドで投げてから2週間後の契約というタイミングは、偶然かもしれない。あるいは、クアーズ・フィールドでの投球が話題になり、他球団がパターソンの存在を知ることをおそれ、アスレティックスが動いた可能性もある。ちなみに、この時はステップして勢いをつけて投げている。パターソン自身は1月に「2019年のドラフト対象。速球92~95マイル、チェンジアップ81~84マイル、スライダー79~82マイル」とツイートしている。

 ちなみに、このツイートには、元メジャーリーガーのC.J.ウィルソンが「もっと真っ直ぐに落ちるチェンジアップにするべき」などのアドバイスを書き込んでいる。C.J.は2005~15年にレンジャーズとロサンゼルス・エンジェルスで投げ、2011年と2012年はオールスター・ゲームに選ばれた。こちらは、カーレーサー&カーディーラーに転身した。

 パターソンと入れ替わるかのように、25歳のジェームズ・カーターは、8月2日にインスタグラムで引退を発表した(https://www.instagram.com/p/B0pBVUkHWD2/)。

 3年前のドラフトで、カーターはロサンゼルス・ドジャースから21巡目・全体641位指名を受け、昨年6月に解雇されるまで、マイナーリーグで投げていた。その後、独立リーグの球団と契約したが、今シーズンはプレーしていなかった。カリフォルニア大サンタ・バーバラ校では、シェーン・ビーバー(クリーブランド・インディアンズ)――同じ年のドラフト4巡目・全体122位――とチームメイトだった。

 これからは、ジェームズ・ターリントンの名前で、IMG所属のモデルとして活動するという。ターリントンは、彼のミドルネームだ。インスタグラムには、まさにモデルといった雰囲気の写真がアップしてある(https://www.instagram.com/p/B0riTG_nrgD/)。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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