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ドジャースの通算奪三振ランキング。カーショウが3位に浮上。野茂は12位、パクは14位

宇根夏樹ベースボール・ライター
クレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース) Aug 1, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 クレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース)が、球団の通算奪三振ランキングで3位に浮上した。8月1日に5三振を奪い、通算2397奪三振として、サンディ・コーファックス(2396奪三振)を上回った。

 カーショウとコーファックスは、どちらもドジャース一筋の左投手だ。1位のドン・サットン(2696奪三振)と2位のドン・ドライスデール(2486奪三振)は右投手なので、カーショウは「ドジャースで最も多くの三振を奪った左投手」となった。

筆者作成
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 このままいけば、2020年にドライスデール、2021年にはサットンを抜き、1位に立ちそうだ。メジャーリーグ2年目の2009年以降、カーショウはどのシーズンも150奪三振以上を記録している(今シーズンは122奪三振)。カーショウとドジャースは、昨年11月に3年9300万ドル(2019~21年)の延長契約を交わした。

 ちなみに、ドライスデールもドジャース一筋だったが、最初の2シーズンはブルックリン・ドジャースで投げた。ロサンゼルス・ドジャース時代に限れば、奪三振は2283。カーショウは、すでにそれを超えている。

 彼らを含め、ブルックリン/ロサンゼルス・ドジャースで1000三振以上を奪った投手は18人を数える。トップ5のうち、現役投手のカーショウ以外は殿堂入り。トップ7のうち、1位のサットンと5位のダジー・バンス(1918奪三振)を除く5人は、サイ・ヤング賞に選ばれている。サイ・ヤング賞ができたのは、バンスの引退後だ。バンスは1924年に、いずれも両リーグ1位の28勝、防御率2.16、262奪三振を記録し、今日のMVPに相当するリーグ・アウォードを受賞した。彼らの他には、10位のボブ・ウェルチ(1292奪三振)が、1990年にオークランド・アスレティックスでサイ・ヤング賞投手となっている。

 また、18人のなかには、アメリカ以外で生まれた投手が4人いる。6位のフェルナンド・バレンズエラ(1759奪三振)はメキシコ生まれ。ペドロ・マルティネスの兄で9位のラモン・マルティネス(1314奪三振)はドミニカ共和国、12位タイの野茂英雄(1200奪三振)は日本、14位のチャンホ・パク(1177奪三振)は韓国だ。

 これも、ドジャースの特徴の一つだろう。例えば、ドジャースとともに東海岸から西海岸へ移転したニューヨーク/サンフランシスコ・ジャイアンツでは、13人が1000奪三振以上を記録しているが、アメリカ以外で生まれた投手は、「ドミニカン・ダンディ」と呼ばれた2位のホアン・マリシャル(2281奪三振)だけだ。トップ18にも、マリシャルの他にはいない。29位にようやく、プエルトリコ生まれのジョナサン・サンチェス(736奪三振)がランクインする。

 なお、現役投手のドジャース通算奪三振トップ5は、カーショウ、ケンリー・ジャンセン(880奪三振)、ヒョンジン・リュ(619奪三振)、前田健太(590奪三振)、現ヒューストン・アストロズのザック・グレインキー(555奪三振)だ。こちらは、ジャンセンがキュラソー、リュが韓国、前田が日本で生まれた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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