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大谷翔平の元バッテリーメイトが、トレード半月後に再びトレード。ダルビッシュ有とは組まずにカブスを去る

宇根夏樹ベースボール・ライター
マーティン・マルドナード Jul 22, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 マーティン・マルドナードが、立て続けに2度トレードされた。7月15日にカンザスシティ・ロイヤルズからシカゴ・カブスへ移り、半月後の7月31日にカブスからヒューストン・アストロズへ移籍した。

 これは、カブスが「買い手」から「売り手」に転じたわけではない。マルドナードが期待外れだったということでもないはずだ。カブスでは4試合で11打数0安打とはいえ、判断材料のサンプル数としてはあまりにも少ないし、もともと、マルドナードの売りはディフェンスにある。打撃は得意ではなく、ここ5シーズンとも、打率は.230を下回っている。

 理由はこうだ。正捕手のウィルソン・コントレラスが故障者リストに入ったため、カブスはマルドナードを獲得した。けれども、コントレラスは最短の10日間で復帰。これにより、カブスはマルドナードを必要としなくなった。

 一方、アストロズは控え捕手のグレードアップを図った。マルドナードを獲得したのと同じ日に、マックス・スタッシーをロサンゼルス・エンジェルスへ放出した。

 昨シーズンも、マルドナードはアストロズでプレーしている。7月26日に、トレードでエンジェルスから移った。現在のアストロズでローテーションを形成する投手のうち、ジャスティン・バーランダーゲリット・コールとは、その時にバッテリーを組んでいる。この夏、同じ日にアリゾナ・ダイヤモンドバックスからアストロズへ移ってきたザック・グレインキーとも、7年前のことながら、ミルウォーキー・ブルワーズでバッテリーメイトだった。

 ちなみに、マルドナードは、大谷翔平(エンジェルス)と最も多くの試合でバッテリーを組んだ捕手だ(メジャーリーグにおいては)。デビュー登板を含め、大谷が投げた10試合中8試合は、マルドナードがマスクをかぶった。ただ、カブスでダルビッシュ有とバッテリーを組むことはなかった。今のところ、メジャーリーグの試合で、この2投手のどちらの球も受けた捕手はいない。ジョナサン・ルクロイは、2016~17年にテキサス・レンジャーズでダルビッシュとバッテリーを組み、現在は大谷とともにエンジェルスにいるが、今シーズンの大谷は野手に専念していて、ルクロイはシーズンが終わるとFAになる。

 なお、今夏のトレード・デッドラインまでに、各球団が獲得した選手(メジャーリーガー)は、こちらにリストを掲載した。

トレード・デッドライン総括。グレインキーを獲得したアストロズが、ワールドチャンピオンの筆頭候補に!?

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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