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前言撤回!? トレードされたら登板しないかもと言っていた投手が新天地へ

宇根夏樹ベースボール・ライター
アンドルー・キャッシュナー Jul 6, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月13日、ボストン・レッドソックスが、ボルティモア・オリオールズからアンドルー・キャッシュナーを獲得した。交換にオリオールズへ移った内野手と外野手は、どちらも17歳のベネズエランだ。

 キャッシュナーは、5月に「トレードされたら登板しない!? 最下位チームから脱出してポストシーズン初出場のチャンスを得るよりも…」で書いたとおり、トレードされた場合、登板せずに家族と過ごすかもしれないと発言していた。

 だが、キャッシュナーはレッドソックスの投手として、7月16日の先発マウンドに上がる。相手は、オリオールズ最後の登板となった7月6日と同じ、トロント・ブルージェイズだ。この試合で、キャッシュナーは7イニングを投げ、被安打3本(すべてシングル)に抑え、1失点で白星を挙げた。

 今回のトレードに対し、キャッシュナーは不満を漏らさず、むしろ、前向きな発言をしている。その理由には、ボルティモアとボストンの近さもあるのかもしれない。直行便であれば、フライトは1時間半かからない。ちなみに、両チームはいずれもア・リーグ東地区だが、レッドソックスのボルティモア遠征は7月19日~21日の1シリーズを残すのみだ。

 キャッシュナーの加入は、クローザー不在の解消にもつながる。4月から故障リストに入っているネイサン・イオバルディは、これまでの先発投手ではなく、リリーフ投手として復帰するだろう。かねてから噂は出ていたが、その可能性が高まった。順調にいけば、イオバルディは今月中に戻ってくる。

 キャリアを通してセーブを挙げたことはないものの、イオバルディの4シームは平均97マイル強と速く、100マイルを超えることもある。昨年のポストシーズンでは、途中からブルペンに回り、ワールドシリーズ優勝に貢献した。

 キャッシュナーとイオバルディは、レッドソックスへ移る前も、ア・リーグ東地区にいたことが共通する。昨年7月25日に、イオバルディはタンパベイ・レイズからレッドソックスへ移籍した。また、イオバルディは、昨年初めてポストシーズンのマウンドに立った。キャッシュナーは、まだポストシーズンを経験したことがない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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