100マイル以上の投球を打ち返してホームランにする。これは稀!?
5月10日、コディ・ベリンジャー(シカゴ・カブス)は、1回表にホームランを打った。
スタットキャストによると、ジャレッド・ジョーンズ(ピッツバーグ・パイレーツ)が投げた4シームは100.5マイル(約161.7km)、それを打ち返したベリンジャーの打球初速打球初速は103.7マイル(約166.9km)を記録した。スタットキャストの場合、投球の速度は、最も速い時点を表示しているが、リリースした直後、すなわち、初速が最も速い。
100マイル(約160.9km)以上の投球を捉えたホームランは、過去9シーズン(2015~23年)に51本を数える。平均すると、1シーズンに5~6本だ。
それらのうち、最速の投球は102.8マイル(約165.4km)。2017年8月13日に、アロルディス・チャップマン(当時ニューヨーク・ヤンキース/現パイレーツ)の4シームを、ラファエル・デバース(ボストン・レッドソックス)がホームランとした。
今シーズンは、ジョーンズが投げてベリンジャーが打ったホームランが2本目。1本目の4月25日は、投げたのがチャップマン、打ったのはゲリー・サンチェス(ミルウォーキー・ブルワーズ)だ。投球は、101.9マイル(約164.0km)のシンカーだった。
サンチェスもベリンジャーも、100マイル以上の投球を打ったホームランは1本しかないが、デバースは、2021年6月27日に2本目を記録している。こちらは、ゲリット・コール(ヤンキース)が投げた100.1マイル(約161.1km)の4シームを打ち返した。
100マイル以上の投球に対し、ホームランが2本は、2015年以降の「スタットキャスト・エラ」における最多タイ。デバースの他に、ジャズ・チザムJr.(マイアミ・マーリンズ)、ホアン・ソト(当時ワシントン・ナショナルズ/現ヤンキース)、コリー・シーガー(テキサス・レンジャーズ)の3人が、2本ずつ打っている。
一方、ホームランを打たれた、100マイル以上の投球は、5球(5本)のチャップマンが最も多い。あとの投手は、いずれも3球(3本)以下だ。
もっとも、チャップマンの速球はホームランを打たれやすい、ということではない。2015年以降にチャップマンが投げた100マイル以上は、500球を超えている。100マイル以上が200球以上の投手は、他には誰もいない。