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通算30本の先頭打者ホームランは史上18人目。20代で到達はボンズ父とリッキーに続く3人目

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョージ・スプリンガー(ヒューストン・アストロズ)May 18, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月26日、ジョージ・スプリンガー(ヒューストン・アストロズ)が、通算30本目の先頭打者ホームランを打った。これは史上18人目、歴代15位タイに位置するが、そのなかには現役選手が5人いる。スプリンガーの約3週間前には、シンス・チュー(テキサス・レンジャーズ)が30本に到達した。

 ただ、スプリンガーの若さは、特筆に値する。18人中、20代で30本に達したのは、ボビー・ボンズリッキー・ヘンダーソン、スプリンガーの3人しかいない。

筆者作成
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 ボンズの場合、30代に入ってからは打線の中軸を打つようになり、35歳でキャリアを終えたこともあって、先頭打者ホームランは通算35本に終わった。ちなみに、息子のバリー・ボンズも、ピッツバーグ・パイレーツ時代に20本の先頭打者ホームランを記録したが、サンフランシスコ・ジャイアンツへ移ってからは、1番打者としての先発出場すらなかった。

 一方、リッキーは、20代の10シーズンに35本の先頭打者ホームランを打つと、30代の10シーズンはそれよりも3本多い38本を記録し、40代に入ってから、さらに8本を積み上げた。メジャーリーグで最初に打った本塁打(1979年9月17日)と最後の297本目(2003年7月20日)は、どちらも先頭打者ホームランだった。

 スプリンガーが、リッキーに追いつくのは無理にしても、40本あるいは50本以上の先頭打者ホームランを打てるかどうかは、彼とともにラインナップを構成するメンバーが、大きな要素となりそうだ。現在のヒューストン・アストロズは、他にも数人のスラッガーを擁しているので、スプリンガーをリードオフに固定できる。だが、他のチームへ移れば、打線の中軸を任される可能性もある。来シーズンが終わると――それまでに延長契約を交わしていなければ――スプリンガーはFAになる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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