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交流戦の最下位球団がリーグ優勝した例はあるのか。今年の広島カープは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
広島東洋カープは2016年からリーグ3連覇中 Sep 11, 2016(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 現在、広島東洋カープはセ・リーグの首位に立っている。ただ、交流戦では、半分の9試合を終えて勝率.250(2勝6敗1分)。12球団の最下位に沈んでいる。

 交流戦で勝率ワーストの球団が、その年にリーグで優勝したことは、これまで一度もない。ワースト・タイを含む16球団中、81.3%の13球団は、リーグ最下位か5位で閉幕した。

 けれども、残る3球団はクライマックスシリーズに進出した。2014年の阪神タイガースはリーグ2位、2012年の東京ヤクルトスワローズと2014年の広島東洋は3位に入り、3位の2球団はファーストステージで敗退したが、阪神はファイナルステージで読売ジャイアンツを下し、日本シリーズまで駒を進めた。

筆者作成
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 16球団のうち、シーズン順位がリーグ・ワースト2位以内の13球団は、交流戦のみならず、同じリーグの球団との対戦に限っても負け越した。それに対し、クライマックスシリーズに進んだ3球団は、交流戦を除くと、いずれも勝率.540を上回った。また、3球団とも、交流戦の勝率は.375。これは、各年の勝率ワーストのなかでは、2014年の東北楽天ゴールデンイーグルスと並び、最も高い。

 今シーズンの広島東洋は、交流戦までの54試合で、勝率.623(33勝20敗1分)を記録した。交流戦の勝率は、ここからの9試合で5勝を挙げれば、.375を上回る。

 なお、交流戦の勝率がリーグで最も低かったにもかかわらず、リーグ優勝を果たした球団は存在する。2008年の埼玉西武ライオンズがそうだ。交流戦の勝率.417(10勝14敗)は、千葉ロッテマリーンズとともにパ・リーグのワースト(12球団中10位タイ)だったが、シーズン全体ではリーグ最高の勝率.543(76勝64敗4分)を記録し、2位に2.5ゲーム差をつけた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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