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三塁手がシーズン絶望となったヤンキースは、トレードに動くのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
ミゲル・アンドゥーハー(左)とグレイバー・トーレス May 4, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ミゲル・アンドゥーハー(ニューヨーク・ヤンキース)の今シーズンが終わった。5月20日に右肩の手術を受けることが、球団から発表された。

 開幕3試合目、走者として三塁にいたアンドゥーハーは、捕手からの牽制球で帰塁する際に右肩を痛めた。1ヵ月後に復帰したものの、そこから10日経たないうちに再び故障者リストに入った。

 前年の新人王投票で、アンドゥーハーは大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)に次ぐ2位に入った。打率.297、27本塁打、47二塁打、OPS.855。三塁の守備はともかく、これだけの打者が不在となれば、補強に動いても不思議はない。

 今オフにFAとなる三塁手には、アンソニー・レンドーン(ワシントン・ナショナルズ)がいる。現在はライトを守るニコラス・カステヤノス(デトロイト・タイガース)も、2年前の夏までは三塁手だった。昨シーズン、2人はアンドゥーハーと同じく、3割前後の打率とともに、20本台の本塁打と40本台の二塁打を記録した。ナショナルズもタイガースも大きく負け越していて、このままいけば、夏のトレード市場では売り手に回る。少なくとも、再建中のタイガースに関しては確定事項だ。

 だが、今のところ、ヤンキースがこの2人のどちらかを獲得する可能性は低い。現在のヤンキースでは、ジオ・アーシェラが三塁を守り、27歳のブレイクが本物かどうかはまだわからないが、打率.330、2本塁打、9二塁打、OPS.874とよく打っている。

 また、昨年10月にトミー・ジョン手術を受けたディーディー・グレゴリアスは、オールスター・ゲーム前後に復帰する見込みだ。そうなると、内野に穴はなくなる。遊撃にはグレゴリアスが入り、遊撃にいたグレイバー・トーレスは二塁へ。DJ・ラメイヒューは二塁から三塁へ移る(一塁はルーク・ボイトのまま)。トーレスとラメイヒューの打撃も好調なので、アーシェラは昨シーズンまでの貧打に戻らなくても、控えに戻りそうだ。

 なお、シーズン終了後には、グレゴリアスもFAになる。契約延長や再契約がなく、グレゴリアスが退団した場合、来シーズンの内野は、一塁から反時計回りに、ボイト、ラメイヒュー、トーレス、アンドゥーハーの4人が守るはずだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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