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イチローを起用した13人の「監督」。その半数は今シーズンもダグアウトに

宇根夏樹ベースボール・ライター
右端の背番号「50」がジム・リグルマン Apr 13, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 イチローがオリックス・ブルーウェーブでプレーした当時の監督は、すでに2人ともこの世にいない。土井正三は2009年、仰木彬は2005年に亡くなった。一方、メジャーリーグ時代の監督13人に死去した人はおらず、今シーズン、その半数はダグアウトにいる。メジャーリーグの監督とベンチ・コーチが3人ずつ、AAAの監督が1人だ。

筆者作成
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 ベンチ・コーチのうち、ドン・ワカマツ(テキサス・レンジャーズ)とジム・リグルマン(ニューヨーク・メッツ)の2人も、昨シーズンは監督として指揮を執った。ワカマツがレンジャーズの監督を務めたのはシーズン最後の10試合だけで、今シーズンは再びベンチ・コーチに戻ったが、リグルマンはフルシーズンに近かった。シンシナティ・レッズのベンチ・コーチだったリグルマンは、4月半ばの監督解任によって暫定監督に。そこから144試合で64勝80敗と負け越したものの、最初の90試合は45勝45敗と健闘し、今シーズンの監督候補にも挙がった。

 その候補にはジョー・ジラルディもいて、FOXスポーツのケン・ローゼンタールによると、レッズから本命とされていたにもかかわらず、ジラルディ自身が辞退したという。結局、レッズの監督には、リグルマンやジラルディのように監督としてイチローを起用したことのある人物ではなく、2001年にイチローとチームメイトだったデビッド・ベルが就任した。

 なお、2010年途中から指揮を執ったダレン・ブラウンは、今シーズンがマリナーズ19年目だ。メジャーリーグのダグアウトにいたのは、2010年の暫定監督と2013年の三塁コーチ――癌と診断された三塁コーチに代わって5月から――の2シーズン弱だが、2001年からずっとマリナーズに在籍し、マイナーリーグ各クラスの監督やコーディネーターを歴任している。AAAのタコマ・レイニアーズでは、今シーズンの他、2007~10年と2011~13年にも監督を務めた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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