Yahoo!ニュース

イチローと「殿堂選手」たち。対戦相手としてもチームメイトとしても同じ試合に出場は2人

宇根夏樹ベースボール・ライター
イチロー(左)とケン・グリフィーJr.。中央は城島健司 JULY 21,2009(写真:ロイター/アフロ)

 2001年以降にプレーし、殿堂入りした選手は、今年の5人を含めて26人に上る。そのなかで、イチローと同じ試合に出場することがなかったのは、トニー・グウィンティム・レインズだけだ。ジョン・スモルツとイチローは、投手と打者としての対戦はないものの、2003年6月14日の同じ試合に出場した。当時、スモルツはクローザーとして投げていた。

筆者作成
筆者作成

 24人のうち、エドガー・マルティネスマリアーノ・リベラケン・グリフィーJr.の3人は、それぞれ、チームメイトとしてイチローとともにプレーした。エドガーはシアトル・マリナーズ一筋に過ごし、イチローが移籍する前にキャリアを終えた。イチローのデビュー戦(2001年4月2日)もエドガーのラストゲーム(2004年10月3日)も、2人は「1番ライト」と「3番DH」としてスターティング・ラインナップに名を連ねた。この2試合のラインナップは、ブレット・ブーンの「5番・二塁」も共通する。

 リベラとグリフィーJr.は、対戦チームの選手としても、イチローと同じ試合に出場した。ニューヨーク・ヤンキース一筋に投げたリベラは、マリナーズ時代のイチローと対戦。その後、イチローがヤンキースへ移り、2人はチームメイトになった。

 グリフィーJr.は、対戦相手として8試合、チームメイトとして141試合。前者はグリフィーJr.がシンシナティ・レッズにいた当時の6試合(2002年6月18~20日、2007年6月22~24日)とシカゴ・ホワイトソックス時代の2試合(2008年8月19~20日)で、後者は2009年にマリナーズへ戻ってから翌年のシーズン序盤に引退するまでだ。

 イチローが2025年に殿堂入りする前に、彼と同じ試合でプレーした殿堂選手はさらに増える(もちろん、殿堂入りした後も)。少なくとも、来年はデレク・ジーター、2024年にはエイドリアン・ベルトレーが殿堂に入る。他にステロイドでキャリアを汚していない選手では、イチローより2年早く最初の選考投票にかかる、カルロス・ベルトランも有望だ。彼らは3人とも、対戦チームの選手としてもチームメイトとしても、イチローと同じ試合に出場した。

 なお、冒頭に挙げたグウィンとレインズには、メジャーリーグでプレーした同名の息子がいる。2人とも、父のようなキャリアは築けなかったが、イチローと同じ試合に出場したことはある。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事