アウトになった選手が「走らなかった」それぞれの理由
4月11日、1死二、三塁の場面で、ハビア・バイエズ(シカゴ・カブス)は三塁へゴロを打った。三塁手からの送球を受けた捕手は、滑り込んできた走者にタッチしてアウトに。その後、ボールを交換してもらおうと球審に渡したが、投手に声をかけられ、球審からボールを取り戻すと、打席にとどまっていたバイエズにもタッチした。5-2-2のダブル・プレーが成立し、イニングは終了した。
打ってすぐに一塁へ走っていれば、バイエズはセーフになっていただろう。そうしなかったのは、ファウルだと思ったからだ。バイエズは、打球が真下に近いグラウンドを叩いた際、自身の前足に当たったと主張したが、判定は覆らなかった。この時点のスコアは0対0。結局、カブスは2対0で勝ったものの、バイエズのプレーは勝敗を左右しかねなかった。
その4日後、ルイス・カスティーヨ(シンシナティ・レッズ)が打ったフライは、ライトの前に落ちた。けれども、こちらもファウルだと思ったカスティーヨは、打球の行方を見ていなかった。気づいて走り出した時はすでに遅し。ボールは一塁へ送られ、アウトになった。カスティーヨは投手だ。サイ・ヤング賞3度のクレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース)からヒットを打てるとは、思っていなかったのかもしれない。
カスティーヨは5イニングを投げて2失点。チームは敗れたものの、黒星はつかなかったが、シーズン初安打をふいにした。
同じ日には、別の球場でこんなプレーも起きた。一塁走者のテオスカー・ヘルナンデス(トロント・ブルージェイズ)が、二塁へ歩きかけ、投手から送球を受けた一塁手にタッチされた。カウントを間違え、3ボール目を四球と勘違いしてアウトになった。
もっとも、最初に勘違いしたのは、打席にいたブランドン・ドゥルーリーだ。バットを投げ捨てたドゥルーリーは、エルボー・ガードも外し、一塁へ向かった。映像を観ると、テオスカーは3ボール目の直後に一塁へ戻りかけている。ドゥルーリーがやってくるのを目にして、二塁へ進もうとした。
ドゥルーリーは次の球で一塁へ歩いたが、このイニングは無得点に終わった。だが、テオスカーは次の打席で逆転3ラン本塁打を打ち(写真はその直後)、チームに勝利をもたらした。