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マリナーズはイチローを日本開幕シリーズでスタメン出場させるべき

宇根夏樹ベースボール・ライター
イチロー(シアトル・マリナーズ)Feb 22, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、シアトル・マリナーズは日本で開幕を迎える。その2試合とも、マリナーズはイチローをスターティング・ラインナップに並べるべきだろう。

 スプリング・トレーニングの試合で、イチローは25打数2安打に終わった。打率.080は、ダニー・エスピノーザ(ニューヨーク・メッツ)の.071(28打数2安打)に次ぎ、25打数以上の365人中、2番目に低い。28打席のうち、約3分の1の9打席は三振を喫した。ちなみに、3月12日に解雇されたダスティ・アクリーは、12打数3安打(打率.250)だった。2月に書いたように「7年前はイチローの前を打った選手が、2度目の日本開幕で復活の狼煙を上げる!?」ことはできなかった。

 この調子でいくと、2試合に先発出場して計10打席に立ったとしても、ヒットは打てないかもしれない。途中出場であれば、なおさらだ。

 日本開幕シリーズがなければ、イチローはロースターに入れなかったに違いない。そもそも、選手としての契約を得られたかも、疑わしい。殿堂入り間違いなしの実績を持つとはいえ、すでに45歳。しかも、昨シーズンは故障していないにもかかわらず、5月3日以降はプレーしなかった。

 それでも、マリナーズはイチローと契約を交わし、日本開幕シリーズのロースターに入れる。日本行きが発表になった30人に対し、ロースターは28人だが、イチローが外れることは考えられない。■追記3/15:基本的に、日本でプレシーズンゲームに先発登板する2投手が外れる。

 そうするからには、イチローがヒットを打つ機会をできる限り増やすのが筋ではないか。オフに主力を大量に放出したマリナーズにとって、勝ち負けは問題ではない。2001年を最後に遠ざかるポストシーズンに向け、1試合も無駄にできないのは、来シーズン以降だ。

 イチローが日本でヒットを打てば、キャリアの掉尾を飾る1シーンとなる。たとえ、まったく打てなくても、そのことで、これまでの実績が色褪せるわけではない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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