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7年前はイチローの前を打った選手が、2度目の日本開幕で復活の狼煙を上げる!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ダスティン・アクリー(シアトル・マリナーズ)MAR 28, 2012(写真:ロイター/アフロ)

 前回の日本開幕シリーズは、2012年に開催された。その試合に出場したシアトル・マリナーズの選手のうち、現在もマリナーズにいるのは、フェリックス・ヘルナンデスカイル・シーガーイチローダスティン・アクリーの4人だ。フェリックスとシーガーはずっとマリナーズに在籍しているが、あとの2人は違う。イチローは日本開幕シリーズの4ヵ月後にニューヨーク・ヤンキースへ移り、マイアミ・マーリンズを経て、1年前にマリナーズへ戻った。アクリーは2015年の夏にヤンキースへ移籍し、過去2年はメジャーリーグの試合に出場することなく、ロサンゼルス・エンジェルスのAAAでプレーした。そして、今年1月にマリナーズとマイナーリーグ契約を交わした。

 7年前に東京ドームでプレーした当時、アクリーは将来を嘱望されていた。前年6月にメジャーデビューし、日本開幕シリーズでは2試合とも「2番・二塁」としてスターティング・ラインナップに名を連ねた。2009年のドラフトでスティーブン・ストラスバーグ(ワシントン・ナショナルズ)に次ぐ全体2位指名を受けた逸材が、メジャーリーグで初のフルシーズンを迎えようとしていた。

 今月で31歳になるとはいえ、まだ衰える年齢ではない。開幕ロースターに入る可能性は決して高くないが、日本で行われるシリーズのロースターはいつもの25人より3人多い。さらに、先発投手が5人要らないことも踏まえると、チャンスは皆無ではないはずだ。

 7年前の開幕戦で、アクリーは4回表の先制ホームラン(写真)に続き、延長11回表に勝ち越しとなるタイムリー・ヒットを放った。その直後には盗塁も決め、イチローのヒットでホームを踏んだ。試合後、アクリーはお立ち台に上がった。2試合目は4打数0安打ながら、開幕の前々日に読売ジャイアンツと対戦した試合でも、ホームランと三塁打を打っている。

 なお、その時にマリナーズと対戦したのは、今回と同じオークランド・アスレティックスだった。現在のアスレティックスには、開幕戦でフェリックスから二塁打を含む2安打を打ったクリフ・ペニントンと、イチローにタイムリー・ヒットを打たれたジェリー・ブレビンスがいる。いずれも、今年2月にアスレティックスへ復帰。こちらの2人もマイナーリーグ契約だが、順当にいけば、ブレビンスは開幕ロースターに入りそうだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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