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FAビッグ2の新契約は「総額3億ドル」あるいは「年平均3500万ドル」!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブライス・ハーパー(左)と妻 Jul 16, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ブライス・ハーパーマニー・マチャドも、まだ球団は決まっていない。彼らは、今オフのFAビッグ2だ。ジ・アスレティックのケン・ローゼンタールによると、依然として、2人とも総額3億ドルの契約を求めているという。

 これまでに3億ドル以上の契約を手にした選手は、ジャンカルロ・スタントン(ニューヨーク・ヤンキース)だけだ。2014年のオフにマイアミ・マーリンズと13年3億2500万ドルの延長契約を交わし、3年後にヤンキースへトレードされた。

筆者作成
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 2億5000万ドル以上の契約も、スタントンの他には、アレックス・ロドリゲス(2度)しかいない。A-RODは、2000年のオフに10年2億5200万ドルでテキサス・レンジャーズに入団し、スタントンと同じく――順序としては、スタントンがA-RODと同じく――3年後にトレードでヤンキースへ。2007年のオフに、契約に付帯するオプト・アウトの権利(選手側から契約を途中で破棄できる権利)を行使し、FAになった後、10年2億7500万ドルでヤンキースへ戻った。

 ハーパーもマチャドも、3億ドルの契約を得られないようであれば、3~4年の短い契約を交わす可能性もある。2人とも26歳。4年後に再びFA市場に出ても、30歳という年齢は、通常のFAと変わらない。

 その場合、今オフの契約は、年平均3000万ドル以上になるだろう。こちらは、過去に5人(6度)いる。総額3億ドルと比べると、ハードルは低そうだ。ザック・グレインキー(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)の3441万6667ドルを上回る、3500万ドル以上もあり得る。

筆者作成
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 あるいは、オプト・アウトの権利を付帯させ、総額3億ドル未満&10年前後の契約で手を打つことも考えられる。そうすれば、3~4年の契約と同じように、30歳前後で再びFAになれる。

 A-RODだけでなく、グレインキーもオプト・アウトの権利を行使した。2015年のオフ、グレインキーは6年1億4700万ドル(2013~18年)の契約を途中で破棄し、ロサンゼルス・ドジャースからFAに。ドジャースも再契約に動いたが、6年2億650万ドルでダイヤモンドバックスに入団した。スタントンの契約にも、オプト・アウトできる権利はついている。行使できるのは、2020年のシーズン終了後だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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