「永久追放」から戻ってきた投手が、新クローザーとして試合を締めくくる!?
ボストン・レッドソックスのクローザーは、昨シーズンまでクレイグ・キンブレルが務めていた。だが、キンブレルはオフにFAとなり、レッドソックスに提示されたクオリファイング・オファーを断った。まだどの球団とも契約しておらず、レッドソックスへ戻る可能性もゼロではないが、レッドソックスでは新クローザーの候補として、マット・バーンズらの名前が挙がっている。昨年11月に「ワールドチャンピオンの新クローザーは、かつて広島カープで投げたあの投手!?」で書いたとおり、2017年に広島東洋カープで「ブレイシア」として投げたライアン・ブレイジャーもいる。
さらに、その候補には、薬物検査に3度引っかかって永久追放となった投手も挙げておきたい。前ニューヨーク・メッツのヘンリー・メヒーアだ。昨年11月にメッツから解雇されたメヒーアは、1月下旬にレッドソックスとマイナーリーグ契約を交わした。ESPNの報道によると、年俸は9万400ドル。メジャーリーグの40人ロースターに入れば、62万5000ドルになるという。
メヒーアは2016年2月に永久追放となったが、そこから1年経てば復帰を求めることができ、2年経つと処分解除の可能性が出てくる。昨年7月、コミッショナーのロブ・マンフレッドは、メヒーアに復帰の道を開いた。その際に出した声明文には「ミスター・メヒーアに、プロフェッショナルとしてのキャリアを再び続けるファイナル・チャンスを与えることに決めた」と書かれている。メヒーアは8月に、メッツのマイナーリーガーとして、ドミニカン・サマー・リーグで2試合に登板した。また、これまでのオフと同じように、今オフもウィンター・リーグで投げた。
薬物の使用が発覚する前年に、メヒーアはメッツでブレイクした。スプリング・トレーニングで松坂大輔(現・中日ドラゴンズ)に競り勝ち、開幕ローテーションに入ったものの、7先発した時点の防御率は5.06。ところが、5月半ばにブルペンへ回されてからは、56登板で防御率2.72を記録し、28セーブを挙げた。
すでに5年も前のことだが(その翌年にも、1度目と2度目の出場停止の間に7登板)、メヒーアは今でも20代だ。10月に30歳の誕生日を迎える。前年に続き、レッドソックスが今年もワールドシリーズで優勝した場合、その瞬間のマウンドにいるのは、もしかするとメヒーアかもしれない。