昔の名前で出ています。名前を元に戻しても、メジャーリーグ復帰は?
ジャスティン・アップトン(ロサンゼルス・エンジェルス)の兄が、再び名前を変えた。2015年から名乗っていたメルビン・アップトンJr.を、かつてのB.J.アップトンに戻す。1月半ばにMLBネットワークの番組に出演した際、自ら宣言した。
ちなみに、メルビンは本名、B.J.はボスマン・ジュニアの略。父マニーのニックネームが「ボスマン」なので、そのジュニア(息子)というわけだ。
B.J.とジャスティンは、どの兄弟よりもドラフトの指名順位が高い。兄は2002年の全体2位、弟は2005年の全体1位だ。ともに全体1位の兄弟だけでなく、親子も存在しない。アップトン兄弟のいずれも、メジャーリーグ通算12年のキャリアは同じ。兄は164本塁打&300盗塁、弟は286本塁打&146盗塁。シーズン20本塁打&20盗塁以上の「20-20」は、兄が4度、弟は2度記録している。兄は2012年に、「30-30」まで2本塁打に迫った。
ただ、弟は現在もレギュラーだが、兄が最後にメジャーリーグでプレーしたのは2016年だ。2017年はサンフランシスコ・ジャイアンツ傘下のAAAで12試合に出場し、2018年の開幕前にクリーブランド・インディアンズから解雇された後は、どの球団とも契約していない。
2005年のB.J.→メルビンは、不振脱出を図る心機一転だった。となれば、今回のメルビン→B.J.はメジャーリーグ復帰をめざしてと思いきや、どうやらそうではないらしい。B.J.は変更の理由について、番組でこう語っている。「妻が言うんだ、メルビンではテレビに出た時に響きがよくないって」
まだ34歳ながら、再びプレーする気はないようだ。このコメントから推測すると、ヤフー・スポーツのジェイソン・オーウェンスらが書いているとおり、解説者としてセカンド・キャリアをスタートさせようとしているように感じられる。
名前を元に戻すと知った時には、再びユニフォームを着て、小林旭が歌う「昔の名前で出ています」が流れるなか、打席に向かう姿が思い浮かんだのだが……。もっとも、仮に復帰しても、ウォークアップ・ソング(登場曲)にこの曲を選ぶことはない――そもそも、存在自体を知らない――と思われる。B.J.の好みは、演歌ではなくヒップホップのようだ。これまで、リル・ウェインの「オン・ファイア」、グッチ・メインの「ステューピッド・ワイルド」、RJD2の「ゴーストライター」などを登場曲にしてきた。