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「昭和」と「平成」のどちらでも50勝以上を挙げた5投手のうち、3人は広島カープで記録

宇根夏樹ベースボール・ライター
大野豊(左)と上原浩治 DEC 3, 2007(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 昭和の時代に50勝以上を挙げ、平成に入ってからも50勝以上を記録した投手は5人いる。そのうち、広島東洋カープと読売ジャイアンツで投げた川口和久を除く4人は、移籍することなく1球団で過ごした。北別府学大野豊は広島東洋、槙原寛己は読売。佐藤義則も、その名称は、阪急ブレーブス→オリックス・ブレーブス→オリックス・ブルーウェーブと変わっているが、ずっと同じ球団にいた。阪急は昭和63年(1988年)まで、オリックスは平成元年(1989年)からなので、佐藤が昭和に挙げた111勝と平成の54勝は、そっくりそのまま、阪急時代とオリックス時代の白星となる。

筆者作成
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 北別府、大野と同じく川口も、昭和に広島東洋で50勝以上を挙げたのに続き、平成にも広島東洋で50勝以上を記録した。現役最後の平成7~10年(1995~98年)に在籍した読売では、8勝しかしていない。平成の66勝中58勝は広島東洋時代だ。

 この3人は、球団の通算勝利ランキングで、北別府(213勝)が1位、大野(148勝)が3位、川口(131勝)は5位タイに位置する。2位は長谷川良平(197勝)、4位は佐々岡真司(138勝)、川口と並ぶのは外木場義郎だ。彼らのすぐ下には、黒田博樹(124勝)がいる。黒田は平成9~19年(1997~2007年)に103勝を挙げた後、ロサンゼルス・ドジャースとニューヨーク・ヤンキースを挟み、平成27~28年(2015~16年)に21勝をプラスした。

 また、昭和と平成にそれぞれ50勝以上の5人の他に、3人が45勝以上を記録している。47勝と177勝の工藤公康、45勝と80勝の渡辺久信、67勝と45勝の山沖之彦がそうだ。渡辺はこの後、台湾でも白星を挙げた。66勝と40勝の郭源治は、台湾時代の白星を含めると、昭和と平成のいずれでも50勝以上となる。

 なお、スラッガー編とスピードスター編はこちら。

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ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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