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2010年代の「ディケイドMVP」は誰? MVP合計ポイントのトップ3は、丸佳浩、柳田悠岐、山田哲人

宇根夏樹ベースボール・ライター
山田哲人(左)と柳田悠岐 Dec 1, 2015(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 2010年代も、あと1シーズン、2019年を残すだけとなった。この年代最高の選手、「ディケイドMVP」を選ぶとすれば、誰だろう。

 各選手の成績を比較するのがスタンダードだろうが、シーズンMVPが記者投票によって決まることからすると、その合計ポイントで決める方法もある。念のために言っておくと、「ディケイドMVP」というアウォードは、実際に存在するわけではない。

 ここまでの9シーズン(2010~18年)のトップ10は、以下のとおりだ。

筆者作成
筆者作成

 ここ2年続けてMVPを手にした丸佳浩(現・読売ジャイアンツ)が、2462ポイントでトップに立っている。ただ、どのシーズンもポイントは受賞者に集中する傾向があり、パ・リーグの投票総数はセ・リーグより少ないことを踏まえると、丸と411ポイント差の2位につける柳田悠岐(福岡ソフトバンクホークス)が際立つ。MVP受賞の2015年を除いた柳田の953ポイントは、MVPを受賞していない選手のなかでは最も多い鈴木誠也(広島東洋カープ)の960ポイントとほぼ変わらない。

 なお、投票は1~3位の連記で、1位は5ポイント、2位は3ポイント、3位は1ポイントだ。2018年の投票総数は、セ・リーグが295、パ・リーグは261だった。

 丸と柳田に次ぐ1943ポイントの山田哲人(東京ヤクルトスワローズ)は、2017年のポイントなしが惜しまれる。2010年以降、100ポイント以上のシーズンが4度ある選手は、柳田と山田の他におらず、1シーズンのポイントは、2015年の山田(1332ポイント)が最も多い。

 また、5位の菅野智之(読売)は6シーズンで票を得ている。これは、140ポイントの則本昂大(東北楽天ゴールデンイーグルス)と2人だけ。どちらもプロ1年目から現在まで、得票ゼロのシーズンは一度もない。

 来シーズンの投票で、2015年の山田と同じ1332ポイントを集めれば、10位のウラディミール・バレンティン(東京ヤクルト)でも、ディケイドの合計ポイントは現時点の丸を上回る。10人のうち、メジャーリーグでプレーしている田中将大(ニューヨーク・ヤンキース)と大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)、今シーズン限りで引退した浅尾拓也(中日ドラゴンズの二軍投手コーチに就任)の3人以外は、誰が合計ポイントの1位になってもおかしくない。

 ちなみに、2000年代のトップ5は、2034ポイントの松井秀喜、1952ポイントの松中信彦、1888ポイントの小笠原道大(現・中日二軍監督)、1860ポイントのアレックス・ラミレス(現・横浜DeNAベイスターズ監督)、1703ポイントのダルビッシュ有(現シカゴ・カブス)だった。彼らは5人とも、このディケイドにMVPを2度ずつ受賞している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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