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また一人、フランチャイズ・プレーヤーがユニフォームを脱ぐ。捕手として首位打者とゴールドグラブ3度ずつ

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョー・マウアー/2009年の地区優勝は163試合目 Oct 6, 2009(写真:ロイター/アフロ)

 ミネソタ・ツインズのフランチャイズ・プレーヤー、ジョー・マウアーがユニフォームを脱ぐ。スター・トリビューンのフィル・ミラーとラベル・ニールによると、マウアーは11月11日の紙面に全面広告を掲載し、引退を発表するという。

 マウアーはミネソタ州セントポールで生まれ育った。セントポールと、ツインズが本拠を置くミネアポリスは、ツイン・シティ(双子都市)だ。高校時代に1度しか三振しなかったというマウアーは、2001年のドラフトで、ツインズから全体1位指名を受けた。2004年にメジャーデビューし、翌年から正捕手に。首位打者とゴールドグラブはそれぞれ3度を数え、出塁率と長打率もリーグ1位の2009年は、MVPを受賞した。オールスター・ゲームには6度選ばれた。

 今シーズン、マウアーは8年1億8400万ドルの契約最終年を迎えた。脳震盪の影響により、2014年以降はマスクをかぶることなく一塁を守っていたが、ホームで行われたシーズン最終戦では、9回表に1イニングだけ捕手を務めた。バッテリーを組んだのは、35歳のマウアーより3歳上のマット・バライルと6歳下のトレバー・メイ。7回裏には――これが最後の打席となった――二塁打を打った。

 通算2123安打は球団4位、428二塁打は2位、143本塁打は13位。1901~60年のワシントン・セネタースを除き、ツインズに限れば、マウアーの安打はカービー・パケットの2304本に次ぎ、二塁打は最も多い(本塁打は11位)。また、あまりにも出来過ぎだと思うかもしれないが、マウアーには双子(ツインズ)の娘がいる。彼女たちは2013年に生まれた。

 プロ入りから一度も移籍していない現役選手のなかで、マウアーは最古参だった。同じく2004年にメジャーデビューし、ニューヨーク・メッツ一筋に過ごしてきたデビッド・ライトも、今シーズンを最後にユニフォームを脱いだ。

 ただ、こちらも2004年にデビューしたヤディアー・モリーナは、一度もセントルイス・カーディナルスを離れることなく、来シーズンもプレーする。今シーズンの開幕直後、モリーナはカーディナルスと3年6000万ドル(2018~20年)の延長契約を交わした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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