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捕手の厄日!? 1イニングに、パスボール、打撃妨害、エラーを記録。昨年の同じ日も、今年とは違う捕手が

宇根夏樹ベースボール・ライター
L.ケイン(左)とY.グランダル/捕球しても本塁はセーフ Oct 12,2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 10月12日に行われたナ・リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第1戦は、ヤズマニ・グランダル(ロサンゼルス・ドジャース)にとって、散々な試合となった。スタメンマスクをかぶったグランダルは、エラー(打撃妨害と捕球ミス)とパスボールを2度ずつ記録。一度は阻止したかに見えた二盗も、リプレーによって判定が覆った。

 スタッツセンターのツイートによると、ポストシーズンの同じ試合にそれぞれ複数のエラーとパスボールを記録した捕手は、グランダルが初めてだという。

 なかでも、グランダルのミスは3回裏に相次いだ。1死一、二塁からのパスボールで二、三塁としたのに続き、スウィングしたバットにミットが当たる打撃妨害で満塁に。さらに、犠牲フライの返球を捕り損なうエラーを犯し、一塁走者と二塁走者の進塁を許した。

 スタッツ・バイ・スタッツは、こんなツイートをしている。「捕手がポストシーズンの同じイニングに、エラー、パスボール、打撃妨害を記録した、他の唯一の事例は、ちょうど1年前の今日、ナ・リーグ・ディビジョン・シリーズの第5戦に起きた。ワシントン・ナショナルズのマット・ウィーターズが、1つのプレーでパスボールとエラーを犯し、続いて打撃妨害を記録した」

 ウィーターズの場合、イニングは5回表、パスボールとエラーは振り逃げ&悪送球ながら、10月12日というのは、グランダルとまったく同じだ。ついでに言えば、マウンドにサイ・ヤング賞2度以上の投手がいたことも共通している。ウィーターズはマックス・シャーザー、グランダルはクレイトン・カーショウとバッテリーを組んでいた。

 また、一連のプレーには関わっていないものの、ジオ・ゴンザレスライアン・マドソンは、いずれの試合にも出場した。昨年は2人とも、ナショナルズにいた。今年はゴンザレスがミルウォーキー・ブルワーズ、マドソンはドジャースのユニフォームを着て投げた。彼らはどちらも、8月31日にナショナルズから移籍した。ただし、こちらは同じ日であっても、驚きではない。この日までにチームに在籍していなければ、ポストシーズンには出場できない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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