Yahoo!ニュース

KKKKKKKK!! 打者天国をものともせず、試合開始から連続8奪三振

宇根夏樹ベースボール・ライター
Sep 26, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月26日、クアーズ・フィールドの先発マウンドに上がったハーマン・マーケズ(コロラド・ロッキーズ)が、先頭打者から8人を続けて三振に仕留めた。

 これは、1986年9月23日のジム・ディシェイズと2014年9月15日のジェイコブ・デグローム(ニューヨーク・メッツ)に並ぶ、1900年以降の最長記録だ。マーケズは、1884年8月28日にミッキー・ウェルチが記録した、先頭打者から9者連続の奪三振にも、1ストライクに迫った。また、5つめの三振を奪ったところで、2014年にウバルド・ヒメネスが作った球団シーズン記録の214奪三振を上回った。

 先日、「打者天国で奇跡が起きている!? ロッキーズからサイ・ヤング賞投手が生まれる日」で紹介したカイル・フリーランドと同じく、マーケズもグラウンド・ボーラーだ。ただ、前半戦はアウェーの防御率2.62に対し、ホームは7.31。打者天国のクアーズ・フィールドでは苦戦していた。

 それが、後半戦はアウェーで3.26、ホームで1.74を記録している。その理由は、球種にあるようだ。昨シーズンまでは速球とカーブのほぼ2球種だったが、今シーズンからスライダーを増やし、後半戦はその割合をさらに上げている。この変更により、奪三振率も上昇。ここ6登板(ホームとアウェーが3試合ずつ)のうち、1試合11奪三振以上は5度を数える。

 フリーランドは25歳の左腕、マーケズは23歳の右腕だ。今シーズン、あと少しでポストシーズン進出を果たすチームの大きな推進力となっているだけでなく、来シーズン以降も、左右の両輪として期待できる。

 ちなみに、フリーランドと違って、マーケズはバットを持っても打率.300(60打数18安打)と結果を残している。ホームの打率.345は打者天国のおかげかもしれないが、アウェーの.258も投手としてはなかなかの数値だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事