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ベテランの遊撃手が優勝リングの受け取りを断る。リングには41個のダイヤモンド

宇根夏樹ベースボール・ライター
ニック・アーメド(サンフランシスコ・ジャイアンツ)May 7, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨年、アリゾナ・ダイヤモンドバックスは、ワイルドカードの3番手として6年ぶりのポストシーズン進出を果たし、ワールドシリーズまで勝ち上がった。テキサス・レンジャーズに敗れ、2001年に続く2度目のワールドシリーズ優勝とはならなかったものの、2度目のリーグ優勝を成し遂げた。

 それを記念し、ダイヤモンドバックスは、リーグ優勝リングを作成した。リングには、41個のダイヤモンドがあしらってある。贈呈のセレモニーは、開幕2試合目の3月29日に行われた。

 6月3日から、ダイヤモンドバックスは、ホームにサンフランシスコ・ジャイアンツを迎え、試合を行っている。ジャイアンツには、前ダイヤモンドバックスの遊撃手、ニック・アーメドがいる。

 ワールドシリーズ優勝リングとリーグ優勝リングは、優勝したシーズンにそのチームでプレーした選手に贈られる。昨シーズン、アーメドは、ダイヤモンドバックスで72試合に出場した。だが、アリゾナ・スポーツ98.7FMのジョン・ギャンバドロによると、アーメドは、ダイヤモンドバックスが申し出たリーグ優勝リングの贈呈を断ったという。

 退団の経緯が、その理由なのかもしれない。

 アーメドは、2013年1月のトレードでアトランタ・ブレーブスからダイヤモンドバックスへ移り、翌年6月にメジャーデビューした。2018~19年は、ゴールドグラブを受賞し、どちらのシーズンも15本以上のホームランを打った。2020年2月には、4年3250万ドル(2020~23年)の延長契約を交わした。けれども、契約満了の直前、昨年9月にダイヤモンドバックスから解雇された。

 リーグ優勝リングをもらわなかっただけでなく、アーメドは、10シーズンにわたってプレーした古巣のファンの前で、プレーもしていない。現在は、故障者リストに入っている。ちなみに、ジャイアンツが次にチェイス・フィールドで試合を行うのは、9月23日~25日だ。

 なお、ダイヤモンドバックスは、8月10日の試合で、先着3万人のファンに、リーグ優勝リングのレプリカを配布する。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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