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2ケタ本塁打が「11人いる」ヤンキース。史上初の12人にリーチ

宇根夏樹ベースボール・ライター
ルーク・ボイト(ニューヨーク・ヤンキース)Sep 19, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、ニューヨーク・ヤンキースの選手が打ったホームランは、両リーグ最多の245本を数える。次いで多いロサンゼルス・ドジャースとは27本差。1997年にシアトル・マリナーズが樹立した264本のシーズン記録に迫っていて、現時点の本数でも歴代6位タイに位置する。2012年にヤンキースが打ち立てた球団記録と同数だ。

 今シーズンのヤンキースは、前年の本塁打王を2人擁する。52本のアーロン・ジャッジと、マイアミ・マーリンズで59本を打ったジャンカルロ・スタントンだ。しかし、今シーズンは2人とも、大きく本数を減らしている。

 一方、20本塁打以上と2ケタ本塁打(10本以上)の人数は、前年より多くなっている。20本塁打以上は4人から6人、2ケタ本塁打は9人から史上最多タイの11人に。その結果、チーム全体としては、昨シーズンの241本をすでに上回る。

筆者作成
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 2ケタ本塁打の人数は、さらに増えそうだ。9月19日にルーク・ボイトが2打席続けて打ち、ヤンキース移籍後のホームランを9本とした。ちなみに、ボイトは7月29日にセントルイス・カーディナルスからヤンキースへ移る前に、ホームランを1本打っている。また、ボイトが加入した翌日にヤンキースからミネソタ・ツインズへ移ったタイラー・オースティンは、移籍前も移籍後も8本ずつだ。

 なお、ヤンキースはポストシーズン進出をほぼ確実にしているが、一定数以上のホームランを打つ選手が多くいても、それだけで勝てるわけではない。11人が2ケタ本塁打を記録した過去4チームのうち、ポストシーズン進出は2チーム。2015年のヒューストン・アストロズはワイルドカードをゲットし、昨年のアストロズは地区優勝を果たしたが、2004年のデトロイト・タイガースと2016年のミネソタ・ツインズは負け越し、ツインズは103敗を喫した。

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ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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