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ルーキー2人の連続ホームランでサヨナラ勝ちは、新時代の幕開け!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ハンター・ドージャー(カンザスシティ・ロイヤルズ)Aug 24, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月24日、2者連続ホームランにより、カンザスシティ・ロイヤルズがサヨナラ勝ちを収めた。1点ビハインドの9回裏、先頭打者のライアン・オハーンに続き、ハンター・ドージャーもホームランを打った。

 オハーンは7月末にメジャーデビューしたばかりだ。ドージャーのデビューは2016年9月だが、昨シーズンは故障に見舞われ、出場はマイナーリーグの33試合だけ。イライアス・スポーツ・ビューローによると、ルーキー2人の連続ホームランによるサヨナラ勝ちは、史上初だという。

 ルーキーでなくても、2者連続ホームランのサヨナラ勝ちは、滅多にあることではない。昨年7月にトロント・ブルージェイズのジャスティン・スモークケンドリス・モラレスが記録した時、スタッツ社は史上6度目と謳った。今年4月にミルウォーキー・ブルワーズのクリスチャン・イェリッチライアン・ブラウンも記録しているので、私が見落としていなければ、オハーンとドージャーは8組目ということになる。ちなみに、4月の試合は、1回表に相手チームの1番打者と2番打者がホームランを打っており、2者連続ホームランで始まって2者連続ホームランで終わった史上初の試合となった。

 今シーズンのロイヤルズは、すでに負け越しが確定している。2014~15年に2年続けてリーグを制し、2015年はワールドチャンピオンに輝いたが、昨オフはロレンゾ・ケインエリック・ホズマーがFAとなり、それぞれブルワーズとサンディエゴ・パドレスへ去った。ロイヤルズは再建モードに突入した。

 数年後に振り返った時、ロイヤルズの新時代はこの連続ホームランから幕を開けた、ということになるかもしれない。8月半ば以降は、オハーンとドージャーが内野の両コーナーを守る試合が増えている。ドージャーが2013年のドラフト全体8位であるのに対し、オハーンは2014年の全体243位(8巡目)だが、まだ25歳だ。ドージャーより2歳若い。MLB.comのジェフリー・フラナガンによれば、2人は仲がよく、オフは一緒に練習をしているという。

 試合後に並んでインタビューを受けたオハーンとドージャーは、サルバドール・ペレスから、恒例の「サルビー・スプラッシュ」を浴び、びしょ濡れになった。2人と同じように、6年前、ペレスはビリー・バトラーの同点ホームラン続いてサヨナラ・ホームランを放った(史上4組目)。もちろん、ロイヤルズのワールドシリーズ優勝にも、ケインやホズマーとともに貢献している。

 

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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