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大谷翔平の投手復帰に「スケジュール」も味方する

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)Aug 14, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 すでにブルペンで投球を開始している大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が、次はアリゾナで打者に対して投げるという。MLB.comのマリア・ガーダッドが報じている。

 エンジェルスは、8月21~22日にアリゾナ・ダイヤモンドバックスと対戦する。場所はアリゾナ州にあるダイヤモンドバックスのホーム、チェイス・フィールドだ。アリゾナ州には、エンジェルスがスプリング・トレーニング行うスポーツ・コンプレックスがある。大谷はそこへ行き、実戦形式のシミュレーション・ゲームで投げる予定だ。2連戦の前日、8月20日になると思われる。

 アリゾナ遠征がなければ、大谷はどこでリハビリ登板をするのかという問題に直面していた。大谷はメジャーリーグのアクティブ・ロースター(25人ロースター)にいるので、マイナーリーグの試合には出場できない。

 エンジェルスはア・リーグ、ダイヤモンドバックスはナ・リーグにいて、1シーズンに対戦する機会は、それぞれのホームで1カードずつだ。それが、このタイミングで巡ってきた。

 その後についてはまだ不透明だが、さらに登板が必要ということであれば、マイナーリーグへ降格し、そこで登板することもあり得る。通常は10日経たないとメジャーリーグへ再昇格できないが、マイナーリーグのレギュラーシーズンは8月下旬あるいは9月上旬に終わる。そうなれば、降格から10日未満でも、昇格は可能だ。ロサンゼルス・ドジャースは2年前にこの手を使い、前田健太を8月26日に降格させ、3日後の29日に呼び戻した。

 いずれにせよ、急ぐ必要はない。エンジェルスが今秋のポストシーズンに進出できないことは、すでにほぼ確定している。シーズン中に投手として復帰できなければ、新人王を逃すかもしれないが、それよりも大事なのは、万全の状態で来シーズンの開幕を迎えることだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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