弱すぎるのか、強すぎるのか。地区首位と最下位の差は50ゲーム以上
ボストン・レッドソックスとボルティモア・オリオールズは、まるでペースを揃えるかのように、一方は白星、もう一方は黒星を積み重ねている。レッドソックスは88勝37敗(勝率.704)、オリオールズは37勝87敗(.298)。両チームは同じア・リーグ東地区にいて、50.5ゲーム離れている。
3地区制がスタートした1994年以降、シーズン終了時点で首位と最下位が50ゲーム差以上というのは、1998年のナ・リーグ東地区とア・リーグ東地区しかない。前者はアトランタ・ブレーブス(106勝56敗/.654)がフロリダ・マーリンズ(54勝108敗/.333)に52ゲーム差をつけ、後者はタンパベイ・デビルレイズ(63勝99敗/.389)がニューヨーク・ヤンキース(114勝48敗/.704)に51ゲーム差をつけられた。
今シーズンのレッドソックスとオリオールズは、このままの勝率でいけば、それ以上の差がつく。162試合に現在の勝率を掛け、少数点第1位を四捨五入すると、レッドソックスは114勝48敗、オリオールズは48勝114敗。その差は66ゲームとなる。
史上最大のゲーム差は、1890年と1906年のナ・リーグで記録された66.5だ。ここから、レッドソックスの勝率が上がるか、オリオールズの勝率が下がるか、その両方であれば、記録更新も起こり得る。
レッドソックスは、1906年のシカゴ・カブスと2001年のシアトル・マリナーズによる、シーズン最多の116勝に届く可能性もある。一方、オリオールズは、1899年にクリーブランド・スパイダーズが喫した134敗まではいかずとも、1962年のニューヨーク・メッツ(120敗)や2003年のデトロイト・タイガース(119敗)に並んでもおかしくない。
ポストシーズンの各シリーズで、レッドソックスがホーム・フィールド・アドバンテージを得ることは間違いないだろう。レッドソックスを除くと、80勝に達しているチームは、ア・リーグにもナ・リーグにも存在しない。
ただ、来年のドラフトで、オリオールズが全体1位の指名権を与えられるかについては、まだ確定していない。カンザスシティ・ロイヤルズも38勝86敗(.306)と着実(?)に負け続けていて、オリオールズとの差は1ゲームしかない。