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6年ぶりに現れる「30-30」の達成者は、両タイトルも獲得するかも。そうなれば…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホゼ・ラミレス(クリーブランド・インディアンズ)Aug 14, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 同じシーズンに30本塁打と30盗塁(あるいはそれ以上)を記録する「30-30(サーティ・サーティ)」に、ホゼ・ラミレス(クリーブランド・インディアンズ)が迫っている。8月17日の時点で、37本塁打と27盗塁。シーズンはあと1ヵ月以上残っており、故障しない限り、達成はまず間違いなさそうだ。

 2012年のライアン・ブラウン(41-30/ミルウォーキー・ブルワーズ)とマイク・トラウト(30-49/ロサンゼルス・エンジェルス)を最後に、「30-30」は出ていない。ラミレスが達成すれば6年ぶり。「40-40」の4人を含め、史上39人目(61度目)となる。

 しかも、ラミレスの37本塁打と27盗塁は、現時点ではどちらもア・リーグ1位だ。本塁打はJ.D.マルティネス(ボストン・レッドソックス)と同数で、盗塁はディー・ゴードン(シアトル・マリナーズ)と並んでいる。

 これまでの「30-30」のうち、リーグ1位の本塁打は7度、盗塁は4度を数えるが、本塁打と盗塁が揃ってトップはなかった。「30-30」以外でも、同じシーズンに両方ともリーグ1位は3度だけ。1903年のジミー・シェッカード(9-67)、1909年のタイ・カッブ(9-76)、1932年のチャック・クライン(38-20)しかいない。ちなみに、この年のカッブは、打率と打点も1位の「四冠王」だった。

 ラミレスは、日本で言う――メジャーリーグでは言わない――「トリプル・スリー」の達成もあり得る。現在の打率は.303だ。「30-30&打率3割」は過去26度。2012年のブラウンとトラウトもそうだ。なお、この2人はそうではなかったが、「30-30&出塁率4割」は16度あり、そのうち4度、1995年と1997年のバリー・ボンズ(33-31、40-37)、1996年のバリー・ラーキン(33-36)、1997年のジェフ・バグウェル(43-31)は打率2割台だった。ラミレスの出塁率は.414だ。

 ラミレスの他には、ムーキー・ベッツ(レッドソックス)も27本塁打と24盗塁を記録している。また、トラウトは30本塁打と21盗塁、フランシスコ・リンドーア(インディアンズ)は29本塁打と19盗塁なので、どちらも難しそうだが、ラミレスとともにリンドーアが達成すれば、史上3組目のチームメイトによる「30-30」となる。過去の2度は、1987年のニューヨーク・メッツと1996年のコロラド・ロッキーズ。メッツではダリル・ストロベリー(39-36)とハワード・ジョンソン(36-32)、ロッキーズではエリス・バークス(40-32)とダンテ・ビシェット(31-31)が揃い踏みした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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