Yahoo!ニュース

前世紀からプレーしている最後の2人のうち、一方は今シーズンが見納め!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
エイドリアン・ベルトレー(テキサス・レンジャーズ)Jul 31, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 20世紀からメジャーリーグでプレーしている選手は、テキサス・レンジャーズの2人、45歳のバートロ・コローンと39歳のエイドリアン・ベルトレーしかいない。19歳のホアン・ソト(ワシントン・ナショナルズ)は、コローンが1997年に23歳でメジャーデビューした時も、翌年にベルトレーが19歳でデビューした時も、まだ生まれていなかった。ちなみに、彼らは3人ともドミニカンだ。

 2人の大ベテランのうち、ベルトレーのプレーは今シーズンが見納めになるかもしれない。ダラス・モーニング・ニューズのゲリー・フレイリーによると、ベルトレーは8月16日に引退を匂わせる発言をしたという。左の太腿裏(ハムストリング)を痛め、ベルトレーは8月14日から欠場している。同じ故障の繰り返しに、弱気になっているらしい。ここ3度――昨年9月、今年4月と5月――の故障者リスト入りも、原因は左の太腿裏だった。

 一方、コローンは8月7日に通算246勝目を挙げ、ラテン・アメリカ生まれの最多勝で並んでいたデニス・マルティネスを抜いた直後、ジ・アトランティックのレビ・ウィーバーにこう語ったという。「やり遂げたいことが一つある。ホアン・マリシャルは僕より多くのイニングを投げている。同じドミニカンとして、彼を上回りたいんだ。あと50イニングくらいだと思う」

 コローンは6月18日の244勝目により、243勝のマリシャルを追い越した。8月7日の発言の時点では、3445.2イニング。ニカラグア出身のマルティネスが記録した3999.2イニングとはかなりの差があるが、マリシャルの3507.0イニングまではあと61.1イニングに迫っている。来シーズンも投げれば、白星に続いて、こちらでもドミニカンのトップに立てる。

 ちなみに、19世紀にメジャーデビューした選手のなかで、最後までプレーしたのはニック・アルトロックだ。初出場は1898年(21歳)、最後の出場は1933年(57歳)だった。もっとも、本格的にプレーしたのは1909年(32歳)まで。その後はコーチを務めながら、たまに出場するだけで、まったく出場しないシーズンも少なくなかった。アルトロックを除くと、19世紀からプレーしていた選手は、1918年を最後に姿を消した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事