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先発投手が1球しか投げずに降板。故障はしていないにもかかわらず。過去にはベーブ・ルースも4球で交代

宇根夏樹ベースボール・ライター
右端がホゼ・ウレーニャ Aug 15, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月15日に先発登板したホゼ・ウレーニャ(マイアミ・マーリンズ)は、1球しか投げずに降板した。

 故障ではない。1回裏、ウレーニャは初球をロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)の左肘にぶつけ、退場となった。死球の直後ではなく、フィールドに両チームの選手が出てきた後に退場とした、審判の判断には疑問も残るが、騒ぎが起きたことにより、他の審判と協議する時間がなかったことが理由のようだ。

 ESPNスタッツ&インフォによると、1920年以降、最初の打者にぶつけて退場となった先発投手は、ボブ・ショウ(1965年)、スコット・エラートン(2001年)、ジョン・ラッキー(2009年)に続き、4人目だという。ただ、初球はウレーニャだけ。ショウとラッキーは2球、エラートンは5球を投げた。

 なお、ベーブ・ルース(1917年)も打者1人と対戦しただけで退場させられているが、こちらは与死球ではなく(吉牛でもなく)与四球だった。試合開始から4球続けてボールと判定されたところで、ルースは球審に罵声を浴びせた。警告されても口を閉じず、退場を宣告されると、球審に殴りかかった。ルースに代わって登板したアーニー・ショアは、二盗を試みた走者がアウトになった後、打者26人を続けて討ち取り、ルースとの「継投ノーヒッター」を達成した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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