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来シーズン、大谷翔平を起用する監督は誰? ソーシア監督は今シーズン限りで退任へ

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイク・ソーシア監督(左)と大谷翔平 Jul 28, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ロサンゼルス・エンジェルスのマイク・ソーシア監督が、今シーズン限りで退任するようだ。ジ・アスレティックのケン・ローゼンタールが報じた。MLB.comのマリア・ガーダッドによると、ビリー・エプラーGMはこの件についてコメントを拒んだという。否定はしなかったということだ。

 11月に60歳を迎えるソーシアは、20世紀末からエンジェルスの監督を務めてきた。ローゼンタールは記事の冒頭で「2000年4月3日にマイク・ソーシアがエンジェルスを初めて指揮した時は、まだビル・クリントンが大統領だった」と書いている。

 ソーシア監督の下、エンジェルスは2002年に球団初のワールドシリーズ優勝を飾り、それを皮切りに7度のポストシーズン進出を果たした。ただ、2000年代の6度に対し、2010年代は1度(2014年)きり。しかも、この年はディビジョン・シリーズでスウィープされ、ポストシーズンで1勝もできなかった。

 また、近年はデータをうまく活用できていない節も見受けられる。ジェリー・ディポートGMが袂を分かったのも、それが理由の一つだったらしい。現在、ディポートはシアトル・マリナーズでGMを務めている。ソーシアがエンジェルスと交わしている10年5000万ドルの契約は、今シーズンで満了する。

 ローゼンタールは次の監督の候補として、GM特別補佐のブラッド・オースマスエリック・チャベス、今シーズンからベンチ・コーチとなったジョシュ・ポールを挙げ、ソーシアと関係の深いコーチは選ばれないと予想している。オースマスとポールは、ソーシアと同じく元捕手。それぞれ、デトロイト・タイガース(2014~17年)とニューヨーク・ヤンキース傘下のA-(2009~10年)で指揮を執ったことがある。元三塁手のチャベスは、監督もコーチも未経験だ。

 もっとも、ソーシアの退任が正式に決まったわけではなく、この3人にしても、現時点で予想するなら、といったレベルだろう。外部から招聘することも考えられる。

 今シーズン、シンシナティ・レッズとセントルイス・カーディナルスは監督を途中で解任し、どちらもベンチ・コーチを暫定監督としている。レッズのジム・リグルマンは来シーズンも続投するかもしれないが、カーディナルスのマイク・シールトは今シーズンが終わるまでの可能性が高い。次期監督の候補を挙げる記事は、いくつも出ている。

 そのなかで、外部の候補としてほぼすべての記事に登場するのが、昨シーズンまでヤンキースを指揮し、現在は解説者をしているジョー・ジラルディだ。カーディナルスの編成責任者である――GMの上に位置する――ジョン・モゼラックは、ジラルディがロッキーズでプレーしていた当時、ロッキーズのフロントにいた。また、ジラルディは最後のシーズンをカーディナルスで過ごした。

 一方、エンジェルスのエプラーGMは、2004年から2015年までヤンキースのフロントにいた。ジラルディがヤンキースの監督だったのは、2008年から2017年までだ。

 来シーズン、ジラルディは赤いユニフォームを着て、チームを指揮しているかもしれない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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