ヤンキースが夏のトレードで先発投手を放出!? ポストシーズンに向けて走っているのになぜ
この夏、ニューヨーク・ヤンキースはソニー・グレイを放出するかもしれない。ファンクレッドのジョン・ヘイマンや、ボストン・グローブのニック・カファードらが、そう報じている。
昨年の夏まで、グレイはオークランド・アスレティックスのエースだった。ヤンキースは獲得に際し、3人のプロスペクトをアスレティックスに差し出した。今シーズン、グレイの防御率は5.34ながら、年齢は28歳。FAになるのは、来シーズンの終了後だ。
また、ヤンキースはポストシーズンに向けて走っている。ワイルドカード・レースのトップに立ち、3番手のアスレティックスには7.5ゲーム差をつけている。
グレイを一時的にローテーションから外すことはあっても、トレードで売り手に回るのは解せない気もする。むしろ、ヤンキースは先発投手を放出するのではなく、獲得する側だ。現在のローテーションには、エースのルイス・セベリーノに次ぐ存在が見当たらない。CC・サバシアは健闘しているものの、かつてほどの力はなく、田中将大の防御率は4点台半ばだ。ジョーダン・モンゴメリーは6月にトミー・ジョン手術を受けた。このままポストシーズンへ進んだ場合、ワイルドカード・ゲームはセベリーノで勝てるにしても、その先が続かない。
とはいえ、エースあるいは2番手クラスの投手を獲得するには、少なからぬ見返りが必要になる。現時点で擁している若手のみならず、グレイと交換に得た若手も交換要員として使う。これが、ヤンキースの描くシナリオだと思われる。
需要はあるはずだ。年齢と来シーズンも保有できることに加え、ヤンキー・スタジアムを除けば、グレイは防御率3.62を記録している。ベタな駄洒落だが、写真のようにグレイのユニフォームを着ている時は調子がいい(ヤンキースのユニフォームは、ピンストライプとグレイの2種類しかない)。FIPも、ホームの6.51に対し、アウェーは2.82だ。セベリーノのシーズンFIP2.74(ホーム2.53/アウェー2.96)とあまり変わらない。
グレイ(と若手)を放出し、交換に別の先発投手を獲得する方法もあるが、来シーズンではなく数年後のポストシーズン進出をめざす球団にとって、グレイは欲しい選手ではない。こちらは、グレイと若手のトレードがうまくいかなかった時の「プランB」だろう。