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1試合5長打のバリエーション。21通りの組み合わせのうち、3分の2はまだ記録なし

宇根夏樹ベースボール・ライター
W.コントレラス(左)とM.カーペンター/先頭打者アーチ Jul20, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

メジャーリーグ記録の1試合5長打は、14人が達成している。ただ、長打の種類とそれぞれの本数によってできる21通りの組み合わせのうち、3分の2に当たる14通りは、まだ誰も記録していない。

筆者作成
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 最も人数が多い組み合わせは「3二塁打&2本塁打」だ。5人が記録している。彼らだけでなく、どの選手が達成した1試合5長打も、少なくとも1本の二塁打を含む。7月20日にマット・カーペンター(セントルイス・カーディナルス)が記録した「2二塁打&3本塁打」は、同じ試合でホームランを打ったクリス・ブライアント(シカゴ・カブス)に続く2人目だ。

 一方、三塁打を含んでいるのは、19世紀の3人のみ。20世紀以降の11人は、本塁打と二塁打の2種類による組み合わせで、1試合5長打を達成した。これは、メジャーリーグ全体の三塁打が減ったことと一致する。また、本塁打を打たずに達成したのも、最初の2人だけだ。

 今後、新たな組み合わせの1試合5長打は、なかなか生まれないかもしれない。三塁打を含まない6通りの組み合わせのうち、一度も記録されていないのは「5本塁打」と「5二塁打」だけだ。

 もっとも、組み合わせはともかく、1試合5長打はこれからも増えていきそうだ。2001年が終わった時点では7人に過ぎなかったが、そこから人数は倍増した。2015年以降は、4年続けて達成者が出ている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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