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今年のオールスター・ゲームの見どころは「ホゼ→ホゼ→ホゼ」の併殺プレー!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホゼ・アルトゥーベ(ヒューストン・アストロズ)May 8, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今年のオールスター・ゲームは、ア・リーグの内野に3人のホゼが揃う。一塁はホゼ・アブレイユ(シカゴ・ホワイトソックス)、二塁はホゼ・アルトゥーベ(ヒューストン・アストロズ)、三塁はホゼ・ラミレス(クリーブランド・インディアンズ)だ。

 3人ともファン投票で選ばれ、スターティング・ラインナップに名を連ねる。一塁に走者がいる場面で三塁へゴロが転がれば、5-4-3の「ホゼ→ホゼ→ホゼ」が演じられるかもしれない。もちろん、他の併殺プレーも考えられる。ア・リーグには投手のホゼ・ベリオス(ミネソタ・ツインズ)もいるので、バリエーションの可能性はさらに広がる。

 それはさておき、ホゼに限らず、同じファーストネームの内野手4人が、オールスター・ゲームで先発したことはなかったはずだ。3人ですら、初めてだろう。ラストネームでも同様だ。ミドルネームやニックネームを用いている選手がいるため、断定はしないものの、まず間違いないと思う。ニックネームの例としては、こちらもオールスター・ゲームに選ばれたスクーター・ジネット(シンシナティ・レッズ)が挙げられる。彼のフルネームは、ライアン・ジョセフ・ジネットだ。

 内野に3人もホゼが揃うと、残る遊撃で先発出場するのが――オールスター・ゲームまでにナ・リーグの球団へ移籍しない限りは――マニー・マチャド(ボルティモア・オリオールズ)であることが惜しまれる。ア・リーグの遊撃手にはホゼ・イグレシアス(デトロイト・タイガース)がいるが、ファン投票では部門5位にすら入らず、OPS.700未満とあっては代替選出の可能性もなさそうだ。

 なお、同じチームの内野手4人が揃って先発出場したことは、これまでに2度ある。1963年はセントルイス・カーディナルス(一塁=ビル・ホワイト、二塁=フーリアン・ハビエア、三塁=ケン・ボイヤー、遊撃=ディック・グロート)、2016年はシカゴ・カブス(一塁=アンソニー・リゾー、二塁=ベン・ゾブリスト、三塁=クリス・ブライアント、遊撃=アディソン・ラッセル)が、ナ・リーグの内野を独占した。2組のうち、カーディナルスの内野陣は、彼らだけで併殺プレーを2度、6-4-3と3-6-3を演じた。もっとも、これはレギュラーシーズンでもあることだ。決して珍しくはない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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