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因縁? 39年前の同じ日にもレッドソックスの投手がヤンキースに被本塁打5本。しかも両投手の関係は

宇根夏樹ベースボール・ライター
ポール・モリター(左)とデニス・エカーズリー July 25, 2004(写真:ロイター/アフロ)

 7月1日、ニューヨーク・ヤンキースは6本塁打を放ち、11対1でボストン・レッドソックスを下した。そのうち、アーロン・ヒックスの3本目以外は、デビッド・プライスから打ったものだ。それについて、スタッツ社はこんなツイートをした。

「今夜、デビッド・プライスはヤンキースに5本塁打を打たれた。レッドソックス史上、ロードでヤンキースに5本塁打を打たれた投手は他に1人しかいない。デニス・エカーズリーだ。39年前のまさに今日(1979年7月1日)だった」

 こういう一致は、たまに起きる。1988年のワールドシリーズ第1戦に、カーク・ギブソンはサヨナラ本塁打を打った。昨年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第2戦に、ジャスティン・ターナー(ロサンゼルス・ドジャース)もサヨナラ本塁打を打った。ドジャースの選手によるポストシーズンのサヨナラ本塁打は、この2本だけ。どちらも10月15日の試合だった。ちなみに、ギブソンはエカーズリーから打ったが、ターナーはプライスではなくジョン・ラッキーから打った。

 ただ、プライスとエカーズリーの間には、因縁が存在する。今から1年前のことだ。ボストン・グローブのダン・ショーネシーによると、舞台はボストンからトロントへ向かうチーム専用機の中。同乗していた解説者のエカーズリーに向かって、プライスは「ここにいるぜ、生きているなかでは最も偉大な投手が。彼にとって試合は容易いものなのさ」と言った後、「ここから出ていきやがれ」と叫んだという。エカーズリーがNESN(ニューイングランド・スポーツ・ネットワーク)の番組で、プライスのチームメイトであるエデュアルド・ロドリゲスの成績について「ヤック(オエッ)」と言ったことが我慢できなかったらしい。エカーズリーは殿堂入りしている。

 その後、2人の関係が修復されたという話は伝わってきていないが、ヤンキース戦で同じ痛みを味わったのだから、これをきっかけにできないだろうか。それとも、エカーズリーはここぞとばかりにプライスをこき下ろすのだろうか。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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